苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

読書

生ける神を愛するための生きた知識  

北総大地キリスト教会会員の永瀬哲也兄が、『新・神を愛するための神学講座』の書評を書いて送ってくださいましたので、ここに掲載させていただきます。要望されている事項索引は、出版のときに作ろうかなと思って手を付けたのですが、とても面倒な作業で断…

予告『わたしは山に向かって目を上げる—南佐久郡開拓伝道の記録と考察―』

『舟の右側』誌から求められて、『わたしは山に向かって目を上げる—南佐久郡開拓伝道の記録―』という連載を1年間して来て、最終回が終わりました。すると、「まとめて加筆して本にしましょう」ということになり、今、その原稿をまとめています。見開き2ペー…

キリスト論を書くのが一番むずかしかった

『新・神を愛するための神学講座』を書いていて、一番むずかしいと感じたのは、キリスト論だった。多くの牧師たちがそうであるように、私がもっとも多くの説教をしてきたのは福音書であるのに、そこに記されたキリストについて考えて表現するのが一番むずか…

加藤常昭『説教への道ー牧師と信徒のための説教学―』

加藤常昭牧師の『説教への道―牧師と信徒のための説教学―』を読み始めました。平明に深いことを教えている良書です。その副題の通り、牧師も信徒も読むべき本だと思います。その願いのために価格が1600円と抑えられています。著者はきっと印税取ってませんね…

加賀乙彦『殉教者』

江戸時代初期、日本人として初めてフィリピン―マカオ―マラッカーゴア(インド)-ホルムズ海峡―バグダードを経て―エルサレムに巡礼し、その後ローマで司祭となって、江戸幕府による切支丹弾圧の嵐が吹き荒れる日本に戻り、九州から潜入して、東北の水沢で宣…

牧田吉和先生による書評『新・神を愛するための神学講座』

書評:水草修治著 『新・神を愛するための神学講座』(地引網出版 2022年1月) 本書は、夕礼拝の「教理説教」に発し、その後の信州小海における開拓伝道と教会形成、さらには苫小牧での伝道牧会の中で育まれ、30年を要して結実した書である。「神を愛する…

山口陽一先生による書評『新・神を愛するための神学講座』

友人の山口陽一先生が書いてくださった書評です。「舟の右側」誌掲載のものです。アマゾンで手に入ります。 「要するに」が口癖の水草先生は、煩雑な議論を咀嚼してまとめてくれるので、ややこしいテーマも、スッと理解できて、ありがたいことこの上ありませ…

『新・神を愛するための神学講座』聖句索引B6版

『新・神を愛するための神学講座』の聖句索引を本と同じB6版にしました。本に挟んでご利用ください。こちらの、左上から4つ目をクリックすると、すぐダウンロードできます。https://moriaogael.wixsite.com/tolovegod/about-me

御子の創造における仲保者性について

牧田吉和先生が、クリスチャン新聞に、『新・神を愛するための神学講座』の書評を書いてくださいました。牧田吉和先生は紹介するまでもないかもしれませんが、現在、四国にある改革派宿毛教会牧師で、長く元神戸改革派神学校校長を務められました。先生は著…

『新・神を愛するための神学講座』引用聖句索引

『新・神を愛するための神学講座』の引用聖書箇所索引を、同労者が作ってくれました。↓こちらからダウンロードできます。プリントアウトもご自由に。 https://1ab4c85d-7ef5-40e3-b99d-780b70ac09e5.filesusr.com/ugd/2a2fcb_2a36fa318608427287ee13506dbc21…

胸をなでおろす 

数日前、今回『新・神を愛するための神学講座』を地引網出版から出した第四の理由として「応援したくなりました」と書きました。それは事実なのですが、もし売れなかったら、応援どころか出版事業の足を引っ張ることになるので、ひやひやしていました。この…

地引網出版

今回、『新・神を愛するための神学講座』を地引網出版から出したことについて、「なぜ?」と聞かれることがあります。そう聞く方はたいてい「あれはペンテコステ系で、水草さんとは系統が違うんじゃないですか。」という含みを持って、そう言われるようです…

山口陽一先生からのコメント2つ

『新・神を愛するための神学講座』出版にあたって、東京基督神学校以来の友人山口陽一牧師(東京基督教大学学長)が、コメントを寄せてくださったので、ここに転載しておきます。山口先生は、かつて同盟基督教団徳丸町キリスト教会の牧師でした。今回の出版…

朝岡勝 「神を愛するために神を知る 『新・神を愛するための神学講座』に寄せて」

昔、大学生時代に出会ったころ、わんぱく盛りの小学生で、昨年春まで同盟基督教団徳丸町キリスト教会牧師、現在、同盟基督教団理事長、東京基督教大学理事長を務めている朝岡勝先生が推薦文を書いてくださいました。あのころリンゴ病にかかって二段ベッドの…

『新・神を愛するための神学講座』ができました。

予告してから、だいぶ時間がかかりましたが、ようやく出版にこぎつけました。神様を求めている人には、役に立つと思います。はしがきを掲げておきます。アマゾンで手に入ります。 新・神を愛するための神学講座 作者:水草 修治 地引網出版 Amazon ーーーーー…

イエス様のユーモア

今日、病院の待合で内田先生の『イエスの生涯―エゴーエイミ』を読んでいて、この上なく聖書に忠実に書かれている素晴らしいイエス伝であることに変わりはないけれど、ちょっと真面目過ぎるかなあ・・・。 福音書を読んでいると、イエス様はときどき面白いこ…

内田和彦『イエスの生涯、エゴーエイミ』

内田和彦先生の『イエスの生涯、エゴーエイミ』を読んでいます。かなり前に出た本で、読まなくてはと思いながら、読まないまま来ていました。 イエス伝、キリスト伝はいろんな人が書いて、「最新の学識」やら文学者の空想やらを使って、好き勝手なことを言っ…

鈴木範久『日本キリスト教史物語』

およそ五百年前、キリスト教は日本に入った。その扱われ方から、次のような変遷があったと著者はいう。これはなるほど。 1 異神 1549-1587 1549年はザビエル来日 2 邪宗門 1587-1859 1587年は秀吉によるバテレン追放令 3 耶蘇教 185…

牧田吉和先生の『改革派神学入門 改革派信仰とは何か』

昨年秋、北海道聖書学院に特別集中講義においでいただいた牧田吉和先生の『改革派神学入門 改革派信仰とは何か』を読みました。先生が、ご自分が書いた本の中で一番読んでほしいと思う本だとおっしゃっていたものです。 「人のおもな目的は神の栄光をあらわ…

ビアトリス・ゴームリー著『C.S.ルイス「ナルニア国」への扉』

『ナルニア国物語』の作者C.S.ルイスの伝記である。アイルランド、イングランド、スコットランドの風景、第一次世界大戦、第二次世界大戦という歴史的背景のなかで、幼いころからの無神論を捨てて、「神も悪魔も実在すること」に気づき、オクスフォード、ケ…

書評:赤江弘之『私なりの「主のいのり」』

赤江弘之牧師のご著書の書評です。出版社からの許可が出たので、先行公開します。 教会を建て上げる「主の祈り」 「主の祈り」の講解は数ありますが、本書は他に類を見ない「主の祈り」講解説教集です。そのユニークさは「独りよがりの」という意味でありま…

ヘンリー・シーセン『組織神学』聖書図書刊行会

大学時代通った土浦めぐみ教会の午後5時から2時間ほどの夕礼拝は読書会だったのですが、その教材が当時は、この本でした。誰かが係りになって、順々に最初から最後まで引証聖句を丁寧に開きながら読み通しました。 私の最初の神学の教師は、神戸の増永俊雄牧…

川瀬一馬校註『方丈記』『徒然草』『花伝書』

高校1年生の冬休みだったか、川瀬一馬校註『方丈記』を通読して、国文学者になるのもいいなあ、などと思ったものです。川瀬一馬先生の経歴に東京高等師範とあったのが、後に進学先をきめるきっかけとなりました。 川瀬一馬先生は小学生時代に両親を失い、卒…

三冊の本

国家というもの、天皇制というものの仕組みを理解する上で、役に立った聖書以外の3冊の本。 葦津珍彦『みやびと覇権』は天皇制と西洋諸国の王制とフランス型、米国型、ドイツ型それぞれの共和制の構造の理解。著者は、明治以降、天皇が江戸城に移され、本来…

辺見じゅん『収容所から来た遺書』文春文庫

第二次大戦後、武装解除された日本軍将兵約60万人がソ連によってシベリア開発のために極寒の劣悪な環境下で強制労働に従事させられ、約6万人が望郷の念を持ちながらシベリアの地で命を落としました。 その一人に山本幡男さんと言う人物がいました。彼は過酷…

古事記・日本書紀

幼いころ、母が買ってくれた3巻本のなかに、イザナギーイザナミの話とか、天の岩戸の話とか、大国主命の話とかがありました。小学生のころ、小学館の世界名作文学全集のなかに、子ども向きの『古事記』がありました。ギリシャ神話とか北欧神話とか、子ども…

ブレーズ・パスカル『定本パンセ』(松浪信三郎訳・註)

「君は、寄らば斬るぞ、ですね。卒論にするには、とりあえず、この著者の言っていることはすべて正しいはずだと思える対象を見つけるほうが、実りある学びができますよ。」と飯塚勝久先生がおっしゃいました。当時、哲学専攻に移った私は毎週一回、先生の研…

角田房子『墓標なき八万の死者』中公文庫

戦時中、国策によって長野県南佐久郡からはたくさんの若者たちが満蒙開拓義勇軍として派遣され、満州で農業をさせました。彼らは関東軍の兵隊さんたちが守ってくれると信じていました。ところが、戦局が悪化しソ連軍が侵攻してくるという情報を得ると、政府…

岡田英弘『世界史の誕生』、岡田明『日本史教科書の中のファンタジー』

岡田英弘『世界史の誕生』(ちくま文庫)西洋史と東洋史の二本立ての世界史解釈をくつがえし、東西を結び東西の歴史形成に決定的な影響を与えてきたものはユーラシア大陸を東西に自由に行き来する遊牧民であったということ。面白いです。同著者の『日本史の…

小畑進『キリスト教慶弔学事典(婚葬)』

小畑進『キリスト教慶弔学事典(婚葬)』、背が赤でなく緑の「同名の書(冠祭)」があります。いのちのことば社。単なるハウツー本でなく、死、結婚、年中行事、人生の通過儀礼のひとつひとつについて、自在に古今東西の哲学・宗教・文学思想の深みから説き…