昨年秋、北海道聖書学院に特別集中講義においでいただいた牧田吉和先生の『改革派神学入門 改革派信仰とは何か』を読みました。先生が、ご自分が書いた本の中で一番読んでほしいと思う本だとおっしゃっていたものです。
「人のおもな目的は神の栄光をあらわし、神を永遠に喜ぶことである」とありますが、従来、改革派神学はこの前半「神の栄光をあらわす」ことに集中して営まれ、後半の「神を喜ぶ」ことを忘れていたのではないか、という改革派信仰者に対するチャレンジの書だと思いました。
「神の栄光をあらわす」という前半だけであると、その信仰のありかたは、その徹底性ゆえに、どうしても抽象的・律法主義的な傲慢に陥る嫌いがある。しかし、本来改革派神学は、神の前に、神を喜び生きる信仰なのである、ということです。
昨秋のお交わりの中で、牧田先生はしきりに私の思想が先生の思想に似ているとおっしゃいましたが、その通りであると思いました。私が「神を愛するための神学」を志し、追求してきたのは、主を求め始めたばかりの私が上の問答の前半だけ聞きかじって愚かしい傲慢に陥ったという苦くて恥ずかしい経験が出発点なのです。
牧田先生がつねに喜びに満ちて神学生たちと対話する姿が、その神学の現れであることがわかりました。