都知事選は一応小池百合子さんが都知事を続けることになりましたが、注目されたのは石丸さんでした。石丸さんだけが、地方の首長をしたものとして東京都のことだけでなく日本全体のことについて発言していたからです。20年後には、日本の人口は1300万人も減るそうで、このまま放置すれば、東京をはじめとする大都市に中小の地方自治体の人口は吸い取られてしまい、地方自治体はつぶれてしまうことになる。そうなれば、東京もまた地方の支えを失ってダメになってしまうと指摘していました。したがって、東京一極集中を止めて地方に分散しなければならない、ということです。
もっともな主張だと思いましたが、今日明日の自分の生活に関心がある都民に対する説得力がどれほどあるかなあ、と思いました。東京一極集中を止め、分散を促す行政としての方法について石丸さんは具体的なことを言っていないなあと感じました。
地方に魅力がなく、東京に魅力があるから、東京に人口が集中するというのが石丸さんの主張ですが、ならば東京都知事としてできることは、東京の魅力をなくすことがその方策ということになります。私などが思いつく単純なことは、東京都23区の住民税を2倍、3倍にすれば、地方分散ができるようになるだろうということです。そうすれば23区には、それでも「都民」のステータスが欲しい人々、お金持ちだけが住むようになるでしょう。ニューヨークのように。ですが、石丸さんはそういう方法は考えていないと言っていました。まあ、「私が都知事になった暁には、住民税を3倍に上げます」と言ったら、絶対に選挙で票が得られませんしね。でも、他にどんな方法があるのでしょう?