苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

歴史

遅塚忠躬『フランス革命―歴史における劇薬』

遅塚忠躬『フランス革命ー歴史における劇薬』という本を読んだ。何十年ぶりかに読んでみると、よく書けているなあという感想。 「劇薬」というのは、効能がある代わり恐るべき副作用があるという意味である。フランス革命は「自由・博愛・平等」というスロー…

明治維新と英国

ダイレクト出版の西鋭夫『新説・明治維新』という本を手に入れて読みました。 書かれていることは、開国・明治維新は英国の世界戦略の一部であったこと。英国はアヘン戦争のように自国の兵士を消耗するのを避けるために、薩長と幕府を対立させる方法を取った…

イアン・ブルマ『近代日本の誕生』

イアン・ブルマ『近代日本の誕生』という本を読んでいます。著者は現在、ニューヨークで大学の教員ですが、ハーグ生まれのオランダ人。外国人の視点から見ると、日本の近代はこう見えるのかと、大変興味深い。本文はわずか200ページほどで、開国、明治維…

幸町という町名の由来?

今朝散歩をした町は国道沿いの狭い道が入り組んで、区割りも三角形になっていたりして、どこをどう歩いたのかよくわからない場所でした。町の名は幸町というのですが、そこで、こんな石碑を見つけました。明治天皇が札幌を訪れたついでに、苫小牧にやってき…

苫小牧の海沿いの町々

昨日の主日説教はT先生に説教をお願いして、午後は会堂でお葬式で火葬まで終わって夕方に帰宅しました。 今朝は高砂町を歩き了えました。最初くもっていましたが、風が強くて雲も吹き飛ばされて今は青い空が見えます。高砂町には浄土真宗本願寺派正光寺の大…

映画『奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ』

これは、見る価値のある、事実に基づいてつくられた作品でした。舞台はフランスのある高校の教室。問題だらけ崩壊寸前のクラスが、歴史教師からナチのジェノサイドを調べて考えて発表するコンクールに応募するように導かれ、いろいろありながらも取り組んで…

鈴木範久『日本キリスト教史物語』

およそ五百年前、キリスト教は日本に入った。その扱われ方から、次のような変遷があったと著者はいう。これはなるほど。 1 異神 1549-1587 1549年はザビエル来日 2 邪宗門 1587-1859 1587年は秀吉によるバテレン追放令 3 耶蘇教 185…

山口陽一「日本キリスト教史三講義」

japan.cgntv.net 東京基督教大学学長、山口陽一師の「日本キリスト教史三講」が視聴できます。 第一講 キリシタンと「神国」日本 第二講 明治時代のプロテスタント 第三講 戦中の教会を考える

日本学術会議の件で思うこと

日本学術会議に関するニュースと、それに対する評論家やヤフーコメント欄を読んでみると情けなくなる。少しぼやきます。 1 首相の嘘か責任転嫁、あるいは、官邸官僚の犯罪 首相は初め自分が105名中6名任命しなかったと言っていたが、昨日は自分のところ…

法政大学総長「日本学術会議会員任命拒否に関して」

日本学術会議が新会員として推薦した105名の研究者のうち6名が、内閣総理大臣により任命されなかったことが明らかになりました。日本学術会議は10月2日に総会を開き、任命しなかった理由の開示と、6名を改めて任命するよう求める要望書を10月3日、内閣総理大…

『風と共に去りぬ』に挫折

先週、娘が連休で帰ってきたので、夜、なにかを観ようということになり、以前、1円プラス送料で手に入れていたDVD『風と共に去りぬ』を見ることになりました。私は子どものころからあの有名なポスターを何度も目にしましたけれども、見たことがなかったの…

三冊の本

国家というもの、天皇制というものの仕組みを理解する上で、役に立った聖書以外の3冊の本。 葦津珍彦『みやびと覇権』は天皇制と西洋諸国の王制とフランス型、米国型、ドイツ型それぞれの共和制の構造の理解。著者は、明治以降、天皇が江戸城に移され、本来…

辺見じゅん『収容所から来た遺書』文春文庫

第二次大戦後、武装解除された日本軍将兵約60万人がソ連によってシベリア開発のために極寒の劣悪な環境下で強制労働に従事させられ、約6万人が望郷の念を持ちながらシベリアの地で命を落としました。 その一人に山本幡男さんと言う人物がいました。彼は過酷…

岡田英弘『世界史の誕生』、岡田明『日本史教科書の中のファンタジー』

岡田英弘『世界史の誕生』(ちくま文庫)西洋史と東洋史の二本立ての世界史解釈をくつがえし、東西を結び東西の歴史形成に決定的な影響を与えてきたものはユーラシア大陸を東西に自由に行き来する遊牧民であったということ。面白いです。同著者の『日本史の…

みなしご、やもめの訴え

「おまえの君主たちは強情者、盗人の仲間。みな賄賂を愛し、報酬を追い求める。みなしごを正しくさばかず、やもめの訴えも彼らには届かない。」(イザヤ書1章23節) 近畿財務局元職員故赤木俊夫さんの夫人が、夫の無念をはらすために、森友学園問題の真相を…

戦争の事実

嘘ばかりついている政権担当者の下、かつての戦争を美化するインチキ本やネット情報があふれていますの。処方箋を見つけたので、リンク先を紹介します。 「大日本帝国を美化するネトウヨさんへ」 http://aiko-hj.blog.jp/archives/23027766.html?fbclid=IwAR…

世宗

年末年始は集会が目白押しなので、牧師は新年1月の第一主日が終わって、ようやくホッと一息つきます。昨日午後、『根の深い木』という韓国歴史ドラマをgyaoでまとめて見ました。朝鮮史上、もっとも尊敬されている世宗にかんするものです。私はこれまで不…

従軍慰安婦に軍が関与した文書証拠

先に高知新聞の報道でも中曽根氏による慰安所設置の文書証拠が出ていましたが、今度は、共同通信による報道です。「隠されているもので露わにされないものはない」です。https://this.kiji.is/575662572528616545?fbclid=IwAR0nMtquNepIrXNIya4FKdscpFmj2jQF…

日本は過去、韓国に対して何をしたのか?

中学でも高校でも、現代史については「自分で読んでおけ」で終わってしまって、きちんと学んだ記憶がない。自分で読んでも、教科書もうわっつらしか書いていなかったという印象がある。手短かにまとめている文があったので、ここに置いておく。杉田聡さんの…

大正デモクラシーから全体主義と戦争への急速な転換

1889年2月11日から、1914年12月31日まで『日本』という日刊紙があった。その後、1925年に小川平吉の手により再創刊され、1935年まで10年にわたり、日本主義を主張する新聞として出版された。その10年に、我が国は大正デモクラシーから全体主義と二十年戦争へ…

憲法議論の基礎知識   

池上彰『君たちの日本国憲法』にもとづいた憲法についてのお話。これだけわかりやすく話せるのはすごい。 この漫才師兼ミュージシャンの中田敦彦さんのyoutube大学の授業は、隙間時間に30分聞くだけで、役に立ちそうです。 【政治】憲法改正問題を中田がわか…

「美しい国」とは格差社会を意味する

国会である野党の質問者が、ケイマン諸島に内部留保430兆円している大企業にせめて中小企業並みに法人税を課し、莫大な所得を得ている富裕層に収入に見合った課税をすれば、年金の底上げの資金源となるという趣旨の提案をしたところ、首相は「それはまったく…

ドイツ人の魂

小塩 節先生の「人の望みの喜びを」から。 さて、その直後ミュンヒェンにもどり、日本から訪ねてきたある知人の頼みで、プロテスタント教会の日曜日の夕拝に出かけた。夕拝を守るところは少ない。やっと探しあてたのは人影もない裏通りの、ふつうの建物の中…

流刑について

最近、gyaoというので、家内と一緒にチャングムの誓いというのにはまってしまいました。女官チャングムが伏魔殿のような宮中で、陰謀によって女官の身分をはく奪されて済州島送りになります。すると済州島に彼女を慕う役人ニコニコオジサンが追っかけてきて…

吉村昭『プリズンの満月』

私は学生時代のようには小説を読まなくなってしまったが、十年ほど前から吉村昭さんの作品だけは好んで読んできた。その無駄な装飾をいっさい削ぎ落し、克明に誠実に歴史の事実に基づいて書くことに努める文体が好ましい。 『プリズンの満月』は、先の大戦後…

グローバル企業の栄枯盛衰18年

Top 15 Best Global Brands Ranking (2000-2018) 情報産業とくにアップル、グーグル、アマゾンが急激に伸びてきたことは、スマホを誰もが持つ時代(私は持っていませんが)になったので驚きませんが、私にはむしろ2013年以前にはコカ・コーラがずっと世…

ノアとカルヴァン

創世記から、神学校(HBI)チャペルの準備をしていて、カルヴァンが『綱要』の中で、ノアの苦労についてしるしたくだりと、ジュネーブからの再招聘に関してしるしたファレルへの手紙の表現が重なっていることに気づきました。「ノアは生涯の大部分のときを方…

新改訳2017の地図に注文…シナイ山の位置

Bible Hubの地図にシナイ山(ホレブ山)の位置が2か所チェックされています。私は新改訳2017の地図に、アカバ湾の東側に昔からあるシナイ山の説も紹介してほしかったんです。でも本文のことばかりに気をとられて、地図のことに注文するのを忘れていました。 …

辺見じゅん『収容所(ラーゲリ)から来た遺書』

先の敗戦後、ソ連軍は1945年2月米英とのヤルタ協定に基づき、日ソ不可侵条約を一方的に破棄して、対日参戦して満州に侵攻した。ソ連軍によってシベリヤに抑留された人々は57万5千人。氷点下30度を下る極寒の中での強制労働によって失われた生命は、厚生労働…

保坂正康『崩御と即位』

お正月に古本屋でふと見つけた保坂正康『崩御と即位ー天皇の家族史』という本は読み応えのあるものでした。孝明、明治、大正、昭和そして平成の天皇の崩御と即位の時期にフォーカスを絞って、ていねいに史料を読み解きながら「時代が天皇をつくり、結果的に…