苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

神学

いわゆる現代神学について

いわゆる現代神学は、現代的課題への対応、または現代思想を聖書解釈に応用するということをします。それは結局は、古代においてグノーシス派がギリシャ思想で聖書を読もうとして陥ったのと同じように、一種のシンクレティズムになってしまうのではないかと…

牧田吉和先生による書評『新・神を愛するための神学講座』

書評:水草修治著 『新・神を愛するための神学講座』(地引網出版 2022年1月) 本書は、夕礼拝の「教理説教」に発し、その後の信州小海における開拓伝道と教会形成、さらには苫小牧での伝道牧会の中で育まれ、30年を要して結実した書である。「神を愛する…

山口陽一先生による書評『新・神を愛するための神学講座』

友人の山口陽一先生が書いてくださった書評です。「舟の右側」誌掲載のものです。アマゾンで手に入ります。 「要するに」が口癖の水草先生は、煩雑な議論を咀嚼してまとめてくれるので、ややこしいテーマも、スッと理解できて、ありがたいことこの上ありませ…

理性の再生

「理性と信仰」という主題は、古代教会からの課題であった。「アテネとエルサレムに何の関りがあろうか」といったテルトゥリアヌスは、アテネ(理性)とエルサレム(信仰)とはかかわりがないものであるとした。不合理なるがゆえに信ず、という立場である。…

『新・神を愛するための神学講座』聖句索引B6版

『新・神を愛するための神学講座』の聖句索引を本と同じB6版にしました。本に挟んでご利用ください。こちらの、左上から4つ目をクリックすると、すぐダウンロードできます。https://moriaogael.wixsite.com/tolovegod/about-me

カテキズムをZOOMで学ぶ

4月からの北海道聖書学院のカテキズム(教理問答)のZOOMをもちいた遠隔地授業の案内ができました。 私の担当のカテキズム(教理問答)の授業は、4月14日から6月30日まで木曜午前8:20-10:05です。(4月28,5月5日、26日は休日)内容は、啓示、神、…

山口陽一先生からのコメント2つ

『新・神を愛するための神学講座』出版にあたって、東京基督神学校以来の友人山口陽一牧師(東京基督教大学学長)が、コメントを寄せてくださったので、ここに転載しておきます。山口先生は、かつて同盟基督教団徳丸町キリスト教会の牧師でした。今回の出版…

朝岡勝 「神を愛するために神を知る 『新・神を愛するための神学講座』に寄せて」

昔、大学生時代に出会ったころ、わんぱく盛りの小学生で、昨年春まで同盟基督教団徳丸町キリスト教会牧師、現在、同盟基督教団理事長、東京基督教大学理事長を務めている朝岡勝先生が推薦文を書いてくださいました。あのころリンゴ病にかかって二段ベッドの…

『新・神を愛するための神学講座』ができました。

予告してから、だいぶ時間がかかりましたが、ようやく出版にこぎつけました。神様を求めている人には、役に立つと思います。はしがきを掲げておきます。アマゾンで手に入ります。 新・神を愛するための神学講座 作者:水草 修治 地引網出版 Amazon ーーーーー…

予告『新・神を愛するための神学講座』

今、校正をしている本『新・神を愛するための神学講座』の目次です。少し分厚い本になります。本書の狙いは、その書名が表しています。「まじめな神学的な本だけれど、例えが身近なのが面白い」という感想を話してくださる友人がいました。今、第二校なので…

聖書啓示が具体性を伴うわけ

ソクラテスは『パイドン』の中で「哲学は死ぬことの練習である」と言います。「哲学などする人は自殺したくなるんじゃない?」と言う人がいますが、ソクラテスが言おうとしているのは、そういうことではありません。 ギリシャ的な死生観によれば、死とは魂が…

律法の三用法について

近年は、「和解の福音」とか「ホーリスティックな福音」いう言い方で、聖書に関する教えならばなんでも「福音」と呼んでしまうのが流行りのようですが、実は、私はいただけないなあと感じています。マルティン・ルターは、「律法とは人間がすることであり、…

物語的啓示と命題的啓示の両方が聖書である

このところ、福音派と呼ばれる人々の中でも、物語神学がブームである。その主唱者たちは、神は啓示を与えるにあたって、「神は創造主である」とか「神は無限である」といった命題によってではなく、ご自分の契約を与えた民をどのように歴史の中で扱われたか…

牧田吉和先生の『改革派神学入門 改革派信仰とは何か』

昨年秋、北海道聖書学院に特別集中講義においでいただいた牧田吉和先生の『改革派神学入門 改革派信仰とは何か』を読みました。先生が、ご自分が書いた本の中で一番読んでほしいと思う本だとおっしゃっていたものです。 「人のおもな目的は神の栄光をあらわ…

神の王国、悪魔の王国

明日の説教(マタイ12章22-30節)の準備をしながら、「国(王国バシレイア)」がカギのことばであることに気づいて、考えさせられたこと。 現代のクリスチャンである私たちは、合理主義的なものの見方の癖がついてしまっているために、聖書が教える悪魔・悪…

神の王国の視点で聖書を鳥瞰する

神は世界を創造して、人間にご自分の代理としてこれを治めるように命じた。すなわち、神のご支配(王国)を地にもたらそうとした。(創世記1:26,27) しかし、人間は悪魔に誘惑され、神に背いて堕落し(創世記3章前半)、罪と悲惨と死、悪魔の暗闇の圧制下…

牧田吉和先生「神の国の前衛としての説教と説教者」

牧田吉和先生を迎えての北海道聖書学院特別公開講座、『神の国の前衛としての説教と説教者』の一日目、午前中、先生の情熱に満ちた講義に、みなさんきわめて熱心に耳を傾けて聴いていました。 内容は、創造から終末の栄光の完成に向かって展開される神の王国…

ヘンリー・シーセン『組織神学』聖書図書刊行会

大学時代通った土浦めぐみ教会の午後5時から2時間ほどの夕礼拝は読書会だったのですが、その教材が当時は、この本でした。誰かが係りになって、順々に最初から最後まで引証聖句を丁寧に開きながら読み通しました。 私の最初の神学の教師は、神戸の増永俊雄牧…

朝岡勝『喜びの知らせー説教による教理入門』

朝岡勝牧師の『喜びの知らせー説教による教理入門』を読みました。十五回のシリーズ説教が原型だということですから、そこに会衆を意識して語られたことばとしてのいのちがあります。 特徴の一つは、神の民、教会を最初から最後まで意識して語られた教理説教…

ウェストミンスター小教理問答

春からHBIで新規の担当として、カテキズムで聖書的教理の全貌を把握するというクラスを始めることにしました。 聖書解釈でいつも強調するのは「木を見て森を見ず」になってはいけないということです。語句が意味を獲得するのは、文脈によるからです。ワード…

今、書いている本

今、『新・神を愛するための神学講座』(仮題)を書いていて、完成間近です。目次は、こんな感じです。 新・神を愛するための神学講座 目次 第一章 神学とは 1 神を愛するために (1)「神学」など、してよいのか? (2)神が霊でいらっしゃるから (3)…

よく切れるナイフは危ない

リチャード・ヘイズが『イエス・キリストの信仰』で、ルターが義認の概念を拡大して、パウロ書簡にあるその他すべてを、義認で包括しようとしたことを批判しています。確かに、教会と国家の捉え方なんかも、福音担当の権威と律法担当の権威とか言っていて、…

聖書釈義について

聖書釈義とは聖書各巻の記者が最初の読者に伝えようと意図したことのみを読み取ることなのだという態度は、啓示を否定したヨハンネス・ガープラーという人物が提唱したものだそうです。啓蒙主義的理性の枠組みで言えば、当然、そういうことになります。 しか…

半ペラギウス主義でなく、半アウグスティヌス主義

ドルトレヒト信仰規準をめぐっての牧田先生と藤本先生の対話を聞いて思ったことの一つ。 「半ペラギウス主義」という呼称は、恩寵救済主義者たちがトマス主義、アルミニウス主義、ウェスレー主義を否定するために用いてきた否定的なレッテルです。しかし、ト…

松原湖研修会

教団の松原湖研修会が終わりました。今回は二日目の早朝、午後に松原湖周辺を歩き、三日目の朝は松原湖周辺から長湖に足をのばしてアウトキャンプ場を回ってみました。今回は、三日とも雲一つない青空に恵まれました。 研修は、「聖書信仰と現代」という主題…

NPPの方法論の正当性と注意点

使徒パウロの書簡を解釈するにあたって、回心前のパウロ(当時はサウロ)が信じていたユダヤ教文献が参考になるというのは、当然のことです。そういう方法をNPPが提唱したことは間違っていません。では、NPPがそうしたことを提唱する前、18世紀から20…

ジェームズ・ダン『パウロ神学』を読み始めました

先週半ば油断して風邪をひいてしまい、治ったかなと思ったら、なかなかすっきり治りません。熱が出ないので、おとなしくしていないから治らないのかもしれません。そこで、昨日は、家にいておとなしくジェームズ・ダン『パウロ神学』を読み始めました。 ダン…

聖書の神言性と人言性と聖書解釈

聖書という書物の解釈の根本的原理について考えてきたことをメモします。 書物というものは、どんな書物であれ、その書物にふさわしい読み方で読むときに、適切な解釈ができるものです。大学受験のための現代文参考書を見ても、文章のジャンルということでい…

相続人

このところ、聖書のいう救い、神の計画を理解するために「相続者」ということがもっとも重要な包括的概念であることが鮮明に見えてきました。キリストは世界の相続者であり、神がキリストのうちに聖徒たちを選び、召し、義とし、子とし、聖とするのは、共同…

ローマ書1章から8章

昨年、ローマ書の連続説教をしたり、サンダースやライトの著書にふれたり、契約神学を勉強しなおしたりしているうちに、ある日、ローマ書がいう救いの二側面が見えてきました。 それは、1章から5章11節までは、キリストによる代理の刑罰を根拠とした法的な意…