苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

加賀乙彦『殉教者』

 江戸時代初期、日本人として初めてフィリピン―マカオ―マラッカーゴア(インド)-ホルムズ海峡―バグダードを経て―エルサレムに巡礼し、その後ローマで司祭となって、江戸幕府による切支丹弾圧の嵐が吹き荒れる日本に戻り、九州から潜入して、東北の水沢で宣教活動をし、捕縛されて江戸で火刑により殉教した人物がいた。ペテロ岐部カスイである。殉教の信仰なくして殉教者は現れないというのは、こういうことだろうなと思った。講談社文庫。