教会と国家
人権思想の根源には二つあって、一つはキリスト教であり、もう一つはジャン・ジャック・ルソーの反キリスト教的思想である。前者は、英国のジョン・ロックの『統治二論』に明白に表現されている。ロックがいう人権とは、創造主が被造物である人間に与えた自…
序 米陸軍士官学校教授D・グロスマンは、現代の軍隊は殺人ができるように特殊訓練を施された組織であると語る。第二次大戦後の米陸軍の調査によれば、遭遇戦では兵士のうち15~20パーセントしか敵に向かって発砲せず、大半は地面や空に発砲していた。また98…
昨夕は、JECA関東4地区主催の2.11ZOOM集会で、お話をしました。結構多くの方が集われたようです。2.11集会ですが、多くの人が参加できるようにと、一日ずらしました。主題は「聖書眼鏡で『教会と国家』を見る」ということで、三つの聖書眼鏡を用意…
プーチン大統領とロシアのキリル総主教の癒着を見ていると、黙示録13章の、竜(サタン)から権威を与えられた海からの獣(皇帝)、そして、子羊(キリスト)の姿をしつつ竜のことばを語る地からの獣を見る思いがする。 また私は、海から一頭の獣が上って来る…
日本学術会議に関するニュースと、それに対する評論家やヤフーコメント欄を読んでみると情けなくなる。少しぼやきます。 1 首相の嘘か責任転嫁、あるいは、官邸官僚の犯罪 首相は初め自分が105名中6名任命しなかったと言っていたが、昨日は自分のところ…
国家というもの、天皇制というものの仕組みを理解する上で、役に立った聖書以外の3冊の本。 葦津珍彦『みやびと覇権』は天皇制と西洋諸国の王制とフランス型、米国型、ドイツ型それぞれの共和制の構造の理解。著者は、明治以降、天皇が江戸城に移され、本来…
昨日、本日、HBIで山口陽一先生を迎えて、教師講師研修会でした。お題は「近代史から見通す、これからの日本の教会~大正から昭和へ、国体と教会・宣教をめぐって~」でした。 たいへん充実した内容の講演と、各講演後のグループディスカッションでした。 最…
日刊ゲンダイ10月1日掲載のようです
またまた選挙の季節。どの人、どの党派を支持するかいつも悩まされます。もし、聖書的価値観に抵触するような方向性をもつ党派はだめだと考えると、国家神道、創価学会、幸福の科学、唯物史観といったものを政治行動(立法)の指針とする与野党があります。今…
どこかの国の総理大臣が他党を侮辱するひどい発言をして、それを取り消すように求められたところ、自分には言論の自由があるとのたまわった。彼は言論の自由というものが何もわかっていないようである。 そもそも、自由とは、「~からの自由」というふうに、…
今日の名言:@gorohani 自分の国だから我々は日本を批判するのだ。批判するのはよりよい日本をつくるためなのだ。批判の無いところに未来はない。無批判に日本の良さなどと言うのはナルシズムだ。鏡の中の自分の顔をながめていい気分になっているような馬鹿…
今日は、神学校で終末論でマルコ13章の「前兆」の話と、現代神学でバルメン宣言の概要を話してきました。前兆のうちの「荒らす憎むべき者」とヒトラーとが重なり合います。終末の前兆は「産みの苦しみ」ですから、終末論は本質的に希望論なのですが、それ…
「ファシズムの初期症候 / Early Warning Signs of Fascism(日本語訳版)」 (ローレンス・W・ブリット起草/米国・ホロコースト博物館展示パネルより) 今の日本、危なくなっていますねえ。
最近、森友学園のことで「教育勅語」が話題になっていますね。小説家の高橋源一郎さんが、かみ砕いて現代語訳しています。興味深いので、ここに引用させていただきます。 朕󠄁惟フニ我カ皇祖皇宗國ヲ肇󠄁ムルコト宏遠󠄁ニ紱ヲ樹ツルコト深厚ナリ 我カ臣民克ク忠…
『舟の右側』から依頼があって、国家主義が強まる状況の中、キリスト者としてどう考え、どう生きるかについて、二三回で書いてくれとのことでした。一回目の原稿を書いていまさっき出しました。 冒頭はこんな感じ。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 二十歳前に教会…
ヒトラーの時代のことを書いた本をいくつか読んでみて、一番目に深い印象が残っているのは、20歳ころに読んだフランクル『夜と霧』です。人間はここまで悪魔になってしまえるのかという恐ろしい現実と、収容所という限界状況において生き残った人々はかなら…
<3年前は「アベノミクス三本の矢」で信を問うといって選挙に勝って、実行したのは特定秘密保護法強行採決。先の総選挙では消費税先送りで信を問うといって選挙して、実行したのは安保法暴力採決。これが安倍政治の選挙戦略です。参議院選挙も、安部政権は争…
1.話題のベストセラー、菅野完『日本会議の研究』を借りて読むことができました。amazonに注文してからもう一ヶ月近くなるですが、重版がかかっているとか。また、日本会議から出版差し止め圧力がかかっているとかいう話もあります。どちらが本当なのか私…
安倍政権が、共産党を破壊防止法の調査対象と見なしていると閣議決定したというニュースを知りました。治安維持法を髣髴とさせられました。共産党が呼びかけてついに野党が共闘することに対して、なりふりかまわぬ分断作戦ですねえ。・・・まあ、もともと公…
国は、2月11日は「建国記念の日」であるとしています。先に太平洋戦争が始まってまもないころ、日本のキリスト教会の教会学校では、どんなことが教えられていたでしょうか。当時の教案誌の2月11日にかんする教案がありますので、ここに紹介しておきます。現…
http://www.asahi.com/articles/ASJ1P3DQNJ1PUTFK004.html 報道によれば、安倍首相は21日午前の参院決算委員会で、憲法改正について「いよいよ、どの条項について改正すべきかという、新たな現実的な段階に移ってきた」と述べ、国会などの議論で改正項目を…
「聖書から見た『教会と国家』」の原稿を紹介しておきます。1997年にまとめたものです。「売れそうにない」ので出版に至らず、お蔵入りしていたので、HPで公開したものです。 とりあえず序文と目次をアップしておきます。関心があれば、ご一読ください。ht…
神学講座Ⅱ 「国家と民族は創造の秩序に属さない」をアップしました。 http://d.hatena.ne.jp/koumiboxy/20150221/1424502820
渡辺信夫先生の「殉教の復位」(『キリスト者の時代精神、その虚と実』いのちのことば社)を久しぶりに読みました。話されたのは、2004年信州夏期宣教講座の長崎エクステンションの場。それから10年たって、急速に闇が深くなっているなか、大事な文章です。…
イエスは言われた。「カイザルのものはカイザルに返しなさい。そして神のものは神に返しなさい。」(マルコ12章17節) 神はカイザルに、剣(警察権)によって社会秩序を維持し、徴税と富の再分配によって経済格差を是正するという務めを託されました。つまり…
むかしから、クリスチャンとして、どういう政党を選ぶかということをいろいろ考えてきました。 結局、聖書にガイドを求めることにしました。 ローマ書13章1-7節から、神様が政治家に託している務めは、①社会秩序の維持(剣の権能、司法、国防)と ②富の再分…
『静かなヒーローたち』という本を在米の友人から送っていただいて読みました。副題に「一世紀にもわたって、日本と日系人をたすけてくれたアメリカ人クエーカーたちの愛の記録」とあります。 先の大戦のとき、米国では日系人たちは敵性人種であるとして、強…
朝から晩まで台風のニュースをしている陰でコソコソと特定秘密保護法の施行を12月10日と決めてしまった、という感じ。
神のしもべ 神のことばである聖書は、国家権力者には二つの顔があると教えている。第一は、剣(法と警察)をもって社会の秩序を維持し、徴税によって貧富の格差を補正する「神のしもべ」という顔である。人間はアダム以来堕落してみなわがままになっているの…
第一次安倍内閣のときに強行採決で決められた改訂教育基本法の前文と第二条4項に「伝統」ということばが出てきます。ここで意味している伝統とは、大日本帝国憲法・国家神道的な現人神天皇を中心とした体制のことでしょう。しかし、それは、わずか80年間で破…