苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

神のかたちのかたち

「1:15御子は、見えない神のかたち(εἰκὼν τοῦ Θεοῦ)であって、すべての造られたものに先だって生れたかたである。 1:16万物は、天にあるものも地にあるものも、見えるものも見えないものも、位も主権も、支配も権威も、みな御子にあって造られたからである…

J.I.パッカーと聖書

Psalms teach us how to worship; Proverbs, how to behave ; Job, how to suffer ; Song of Solomon, how to love; Ecclesiastes, how to live. – J.I. Packer 「詩篇は如何に礼拝するかを 箴言は如何にふるまうかを ヨブ記は如何に苦しむかを ソロモン…

有朋自遠方来

今朝は、朋有り遠方より来たるで、短い時間だったけれど金太郎の池の周辺を散歩して楽しかった。大学時代の友人M君で、卒業後は久しく会うことがなかったのだが、12,3年前私がまだ信州小海にいたとき、一度ちょうど仕事で上京するタイミングと、クラス会の…

下種の勘繰り

大谷君に関する疑惑が晴れたようです。 この種の「疑惑」とそれに対するマスメディアやユーチューバーなどの対応を見て思い出すのは、会田雄二が小野田寛郎少尉について書いた文章のことです。 小野田少尉が戦後ずっとルバング島に潜伏していることがわかっ…

聖書文脈読み違えの2例

聖書釈義の基本は、文脈をわきまえることである。文脈とはなにか?下の数列のXは何か? 2,4,6,8,X,12,14,16・・・ X=10であるとすぐにわかるだろう。等差数列である。文脈とは数列のようなものである。課題文の前から、課題文の後へと流…

女性専用車両に乗って「法律違反ではない」と騒ぐおじさん

今朝たまたまニュースを見たら、わざわざ女性専用車に乗って、乗客や乗務員に注意されると、「女性専用車は一般車両だから、法律上、男性が乗っても問題ないのだ。日本は法治国家だ。」という内容のことを口汚く罵るユーチューバー男性が出ていた。 法律はそ…

ノアの苦労、カルヴァンの苦労

史上最初の動物園の園長ノアは、動物たちを箱舟に順々に乗せて、それから1年と10日間にわたって、彼らの世話をしました。それはどれほどたいへんだったでしょう。カルヴァンは『綱要』の中で、ノアの苦労について「ノアは生涯の大部分のときを方舟の建造に疲…

日常の変化

20年間していた教団の理事者としての務めから解放されて、日常生活の大きな変化の一つは、毎日10通から20通を超えるメールが来なくなったことです。すべてが自分の担当に深くかかわるメールではないものの、一応、目を通してレスポンスをしなければならない…

霞か霧か・・苫小牧 

夜に霧雨が降ったようで、今朝の苫小牧はしっとりしています。でも太陽は見えず、白い空。数十メートル先の病院の看板が霞でかすんでいます。 春になると、苫小牧はこういう感じの日が多くなり、それが7月まで続きます。だから日照時間が少なくて農業に適し…

入院・手術

4月1日(月)に市立病院に入院し、翌日、副鼻腔炎の手術をして、昨日6日に退院して来ました。昨年6月にコロナにかかったあと、左耳がよく聞こえないという症状があって近所の耳鼻科に行ってレントゲンをとったところ、左の副鼻腔が真っ白であることが判…

岸見一郎、古賀史健『嫌われる勇気』ーアドラー心理学の意義と限界

副鼻腔炎の手術で入院初日4月1日、この本を読んだ。アドラーの名は聞いたことはあったけれども、具体的にその内容を知ったのは今回が初めてである。『嫌われる勇気』という書名が強烈な印象を与える。開いてみて面白いのは、プラトンの対話篇風に悩める青…

十字架と復活!

魔除け? 「十字架って、何の道具なのかわかりますか?」と聞いたら、ある人は。「・・・魔除けですか?」と答えました。「それはドラキュラ映画の影響ですか。確かにドラキュラに十字架を近づけるとギャアとか言って逃げ回りますが・・ハズレです。」 十字…

椅子

冬の間運動不足になっていて、しかもヘイワースの椅子の腰当(ランバーサポート)が壊れていたので、自宅で書斎仕事を二三時間すると立ち上がるとき大変になりました。そこで、いい椅子ないかなあとジモティーで見たら、西方のお店にバウヒュッテがあること…

聖書信仰に生きる教団

苫小牧福音教会が属する日本同盟基督教団は「聖書信仰を土台とし、宣教協力をするために、合議制を採る」ことを教団の三本柱としている。では「聖書信仰を土台とする」とはどういうことなのか。教団の信仰告白第一項には次のようにある。 旧、新約聖書66巻…

教会の改革とは 

「改革された教会は常に改革され続けなければならない(羅semper reformanda ecclesia reformata)」という標語がある。ある人々は、現代の世の風潮に合わせることが教会の改革だと思い込んでいるようだが、大間違いである。「改革された教会は、常に、神のこ…

多であること一であること

父子聖霊の唯一の神が、多様にして一つの世界を創造したと信じているキリスト教会は、世が一斉に「統一性」を強調する時代には「多様性」の重要性を語らねばならないし、世をあげて「多様性」を強調する時代にあっては、「一つ」であることの重要性を語らな…

最後の教団理事会を終えて・・・「強固でなく、強靭な革袋を」

昨日は私にとっては最後の教団理事会でした。20年間のご奉仕で、定年となりました。若い私が理事会に入ったのは、理事長が吉持牧師から赤江牧師に移った春でした。そのころ教団は地域教会の自律と、理事会の役割の境界線をめぐる難題を抱えてある出来事に…

北海道聖書学院卒業式

本日、北海道聖書学院で卒業式で、2名の本科生が卒業し、春からそれぞれ道内の教会に赴任することになります。お一人は女性で、かつて3年生の夏休み前に病を得て、7年7か月の闘病を経て、昨年春に復帰し、残りを1年間学び、卒論を書き上げての卒業でし…

整体師のことばと近代聖書学

Youtuberをしている整体の先生が話していたのですが、ハワイ大学から「すぐに来い。死後間もない人体が手に入った」という知らせがあったので、そんなチャンスはめったにないので出かけて、その死後まもない人体を動かしつつ解剖するのを見て勉強することが…

「教会史における教理」

HBIの3学期は、「教会史における教理」というクラスと、「神を愛するための教理問答」のクラスを担当しました。 前者は普通、「教理史」と名乗るわけですが、そのネーミングだと絶対精神の自己展開みたいな観念的なイメージがあるので、もっと具体的な教会の…

聖書解釈の3側面 実例(その2)

聖書解釈には、状況的、規範的、実存的の3側面に着目することが重要である。創世記1章において状況的という点は、執筆状況を取り上げたが、状況的面で常に重要なのは、文脈ということである。今回はその一例を紹介したい。聖書箇所はマルコ14:1,2の解釈で…

聖書解釈の3側面 実例

今日は北海道聖書学院での2023年度最後のカテキズムの授業だった。対象は信徒コースと聴講生たち3人である。時間配分が今一つうまく行かず、最後に1コマ余ったので、聖書的教理体系をカテキズムで学んだ者として、実際に聖書を読んで行くときに、それ…

「存じ上げません」?

シリーズでもありませんが、気になる妙な日本語。安倍派の塩谷さんは、裏金問題の件で政治倫理審査会に引っ張り出されて、「(裏金問題の経緯については)存じ上げません」と何度も言って、新聞の見出しになっていましたが、なんか変だな、気持ち悪いなあと…

小畑進先生の説教チャート

ameblo.jp リンク先をごらんください。先日投稿したものではありません。

説教に向けての聖書解釈の3つの側面

表題の文章を、「神学ノート」に掲載しておいたので、ご一読ください。 清水武夫先生が神学校で言われたことについて、神学校卒業後、聖書解釈についてずっと考えて来たことです。 リンク先 ameblo.jp

初めてのMRI

今日の午前中は二軒、訪問。お年を召したご夫妻は前回うかがったときよりも、ずいぶん元気になって来られたようすで感謝でした。 午後は、生まれて初めて市立病院にMRI検査を受けてきました。副鼻腔炎手術の準備です。銀行の金庫の扉みたいなのの奥に、巨大…

ライトの聖書解釈法は本質的に間違っている

NPP

1 ライトの新約聖書の読み方 日本長老教会によるN.T.ライトに関するレポートで、ライトの聖書理解の手順が示されている(37ページ)。ライトは、聖書のある概念を理解するには、まず第二神殿期のユダヤ教文献を読むことが必須であるとする。 ①まず第二神殿…

駐車場の雪

おととい駐車場の圧雪を不十分ながら、ざっとすませてお見舞いに出かけたのですが、そのあとまた吹雪いてきてしまって、土曜日にはどうだろうと思って教会にやってくるとビックリ。全面キレイに圧雪されて、縁のほうも、きれいに雪が寄せられているではあり…

お見舞い

昨日は終日北海道聖書学院にいて、帰宅したのは8時を回っていました。今朝、澄川にある病院に、Y姉のお見舞いにうかがうことを思いつつ目がさめて、カーテンを引いてみたら、雪が積もっています。食後、妻といつものように為政者たちのこと、教会の兄弟姉妹…

遅塚忠躬『フランス革命―歴史における劇薬』

遅塚忠躬『フランス革命ー歴史における劇薬』という本を読んだ。何十年ぶりかに読んでみると、よく書けているなあという感想。 「劇薬」というのは、効能がある代わり恐るべき副作用があるという意味である。フランス革命は「自由・博愛・平等」というスロー…