今朝たまたまニュースを見たら、わざわざ女性専用車に乗って、乗客や乗務員に注意されると、「女性専用車は一般車両だから、法律上、男性が乗っても問題ないのだ。日本は法治国家だ。」という内容のことを口汚く罵るユーチューバー男性が出ていた。
法律はそれを破ったら犯罪にあたる最低限の基準であって、人としてまともに生きて行くにはより高いレベルの良識が必要であることを、この男性はわかっていない。法的に問題ない行為であっても、道徳的に問題ある行為がある。男性が女性専用車に乗るというのは、そうした行為の一つである。この男性の言っていることは、「法律」ということばを初めて知った小学生低学年が、親から「朝は、ちゃんとおはようございますとあいさつしなさい」と言いとがめられたとき、「そんなこと法律で決まっていないでしょ。」と反論するのと同じレベルのことである。
なぜ女性専用車両に乗ることを法律は禁じていないのか。それは市民の良識に信頼しているからである。市民が良識を持っていないということになれば、法律で女性専用車に男性が乗ることを禁じなければならなくなってしまう。法的には男性も乗ることができるようにしておけば、緊急時には融通が利くのである。良識にもとる行為をするこのユーチューバーのような人々が出てきて国会などで取り上げられると、結局、法律で禁止せざるをえなくなり、社会を窮屈なものにしてしまうのである。
この件を考えていたらローマ書の愛と律法に関することばを思い出した。
8,だれに対しても、何の借りもあってはいけません。ただし、互いに愛し合うことは別です。他の人を愛する者は、律法の要求を満たしているのです。
9,「姦淫してはならない。殺してはならない。盗んではならない。隣人のものを欲してはならない」という戒め、またほかのどんな戒めであっても、それらは、「あなたの隣人を自分自身のように愛しなさい」ということばに要約されるからです。
10,愛は隣人に対して悪を行いません。それゆえ、愛は律法の要求を満たすものです。ローマ13章9,10節
キリストは私たちに、あれこれの律法の要求に縛られてではなく、隣人愛によって、律法の要求を自由に十二分に満たす生き方を用意してくださった。
女性専用車両の法的見解
国土交通省の見解
下記は当会会員が国土交通省に女性専用車両の任意性について問い合わせした時の回答です。(原文のまま)
国土交通ホットラインステーションと申します。 お問い合わせ頂いた案件につきまして、鉄道局 業務課より以下の回答が来ましたので、送付いたします。 回答が大変遅くなり、申し訳ございません。 国土交通ホットラインステーション 東京都千代田区霞が関2-1-3 連絡担当 西川 TEL 03-5253-8111(代表) 03-5253-4150(直通) ********************************* 以下のとおり回答します。 現在各鉄道会社で導入されている女性専用車両については、あくまでも利用者のご理解と任意のご協力のもとに行われているものであり、法的な根拠はありません。 女性専用車両はあくまでも男性利用者の任意のご協力のもとに実施されているものであることから、実際の運用に際して、駅係員等が誤乗車された方に対して呼びかけ、ご協力をお願いすることはあると考えます。 しかしながら、強制的に降車させるような行為は不適切と判断されることから、そのような事実があれば指導して参りたい。 *********************************