苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

聖書講解

いのちの水の川 (聖霊について7)

黙示録22章1-5節 「御使いはまた、私に水晶のように光るいのちの水の川を見せた。それは神と小羊との御座から出て、都の大通りの中央を流れていた。川の両岸には、いのちの木があって、十二種の実がなり、毎月、実ができた。また、その木の葉は諸国の民をい…

御霊の賜物と愛(聖霊6)

1コリント13章 序 御霊の賜物について論じる文脈でコリント教会ではさまざまな問題が生じていて、その問題の解決策を使徒パウロはこの手紙のなかで書き送っています。そうした問題のひとつが「御霊の賜物」をめぐる問題でした。使徒は、1コリント12章から14…

聖霊と聖書  (聖霊について その5)

マタイ5:18、ヨハネ14:26、2テモテ3:16、2ペテロ1:21、3:15,16 今回は、聖霊と聖書というテーマでみことばを解き明かします。先ほど聖書朗読の前に、「聖書を啓示してくださった御霊ご自身が、いま、この聖書を開いている私たちがこれを正しく理解できる…

御霊の実を結ぶ(聖霊について その4)

ガラテヤ5章13節から24節 1 キリスト者の自由 ガラテヤ教会はもともと使徒パウロが開拓した教会でしたが、この手紙を書いた頃、救いの教えについて混乱が生じていました。それは、パウロがこの教会を去ったあと、エルサレム方面からやって来たユダヤ主義の…

御霊に満たされ続けなさい(聖霊について その3)

エペソ5:15-211 時を贖い取りなさい 5:15 そういうわけですから、賢くない人のようにではなく、賢い人のように歩んでいるかどうか、よくよく注意し、 5:16 機会を十分に生かして用いなさい。悪い時代だからです。 「賢い」ということばは、特に「誘惑に陥り…

キリストの手紙   (聖霊について、その2)

エレミヤ31:31-33、エゼキエル11:19、20 2コリント3章1-18節 1 約束の聖霊 神が、世界を造られたときに、「それは非常によかった」と書かれてあります。実際、私たちは、この五月の美しい山々を見たり花々を見てすばらしいなあと思います。しかし、同時に…

全能の神

出エジプト14:1−31序 「聖書と考古学」というテーマで3月最初からみことばを味わい続けています。本日は、映画「十戒」でたいへん有名な、イスラエルの民が「葦の海」を渡ったという記事にかんして。考古学的発見との関連で言いますと、このテーマに関してはシ…

モーセ誕生と神の備え

出エジプト1:22−2:10 2007年6月、エジプト考古学庁が、ツタンカーメン発掘以来の重大な発見について発表しました。王家の谷にあるKV60と呼ばれる小さな墓で発見された身元不明だったミイラのDNA鑑定をしたところ、それがエジプト新王国時代の第五代の女王…

復活の希望

1コリント15:20−23、50−58 「主はよみがえられました!」(まことに主はよみがえられました。) 今年のイースターは、主イエスの復活の事実に基づく、私たち自身の復活の希望についてみことばを味わいましょう。 1 初穂なるキリスト イエス様は十字架上で…

暴君に抵抗した女たち

出エジプト1:1−21 トトメス3世序 一昨日、東京都三鷹市の中近東文化センターに15名の方たちと遠足に行ってきました。玄関をはいるとすぐにハンムラビ法典の刻まれた身長より高い大きな黒い石がありました。もちろんレプリカですが、これはアブラハムと同…

ソドム滅亡

創世記19章 序 ソドムの町は、東西南北の通商の交差点でした。東にメソポタミア、その向こうにはインドのインダス文明、西北にはギリシャのエーゲ文明、南にエジプト文明があり、そうした文物が行き来する交差点にあったのがソドムの町でした。そうした通商…

東の王たちの侵攻

創世記14章 オリエントの中の旧約史3 序 聖書における主題のひとつに「都市」という問題があります。このことに着目したのはジャック・エリュールで、彼は『都市の意味』という本で、旧新約聖書全体にわたって都市に関する研究をしています。聖書によれば、…

KGK春期聖書学校Ⅱ  創造主と人間(再掲載)

注> 先週掲載したのですが、末尾が切れてしまっているので、再掲載します。 (創世記1章26−28節、同2章4−18節、コロサイ1章15−17節) 中国には、孟子の性善説と、荀子の性悪説という二つの説がある。不思議なことに、それぞれの説を読むと、それぞれに説得…

ガリラヤ湖と死海

創世記12:10-13:末 オリエントの中の旧約史31. 飢饉でエジプトに避難する 12:10 さて、この地にはききんがあったので、アブラムはエジプトのほうにしばらく滞在するために、下って行った。この地のききんは激しかったからである。 12:11 彼はエジプトに近…

KGK春期学校 お話Ⅱ「神と人間」

(創世記1章26−28節、同2章4−18節、コロサイ1章15−17節) 中国には、孟子の性善説と、荀子の性悪説という二つの説がある。不思議なことに、それぞれの説を読むと、それぞれに説得力がある。人間の本性は善であるようでもあり、また悪であると言われればなる…

KGK春期学校 お話Ⅰ 三一の神と被造物の構造

(創世記1章1−2章3節、マタイ福音書28章19節、出エジプト3:13,14)序 昨日、神戸の兄の家に来て、兄家族と過ごして、晩御飯に有名な「餃子の王将」に行きました。そこで兄から「餃子の王将」の経営方針について説明されました。そのとき、「なるほど!こ…

KGK春期学校のお話Ⅳ 被造物との和解(その2)

(2)都市文明・・土地に疎外され土地を疎外する・・・・創世記四章 アダムの子カインは、土地に弟アベルの血を流した。神は言われた。「あなたは、いったいなんということをしたのか。聞け。あなたの弟の血が、その土地からわたしに叫んでいる。今は、あな…

KGK春期聖書学校 Ⅳ 被造物との和解 (その1)

「もしあなたが道で、木の上、または地面に鳥の巣のあるのを見つけ、その中に雛または卵があって、母鳥がその雛または卵を抱いているならば、母鳥を雛と一緒に取ってはならない。 22:7必ず母鳥を去らせ、ただ雛だけを取らなければならない。そうすればあなた…

KGK春期聖書学校 Ⅲ 神との和解

創世記3:15、21、ヘブル10:1-7、マルコ15:22-34 1 「あなたはどこにいるのか」 神のご命令に背いてしまったアダムとその妻であった。日が傾いて涼しくなるころ、主なる神は園をいつものように廻ってこられて、呼びかけられた。「あなたは、どこにいるのか…

バベルの塔―――権力者の出現

創世記10章1−12節、11章1−9節 (オリエントの中の旧約史1)はじめに この春、4月27日に聖書地理と聖書考古学の専門家である菊池実牧師を迎えて、伝道会と講演会をしたいと願っています。それに先立って3月末には、東京都三鷹市にある中近東文化センター…

地引網の譬え

マタイ福音書13:47−52 大雪のため、明日、小海キリスト教会の礼拝にいらっしゃることができない兄弟姉妹のために、メッセージをアップしておきます。 みなさんに神様の恵みと守りがありますように。 礼 拝 次 第 前奏 ・・・・・・・・・・・・・・黙想 招…

隠された宝

マタイ13章44−46節*あらゆる犠牲を払ってでも手に入れたい宝 「畑に隠された宝」「高価な真珠の譬え」を見ますと、概略同じような内容であることに気づきます。それが繰り返されるのは、この真理を確実に相手に伝えたいからです。昔、パロが見た七頭の肥え…

神の王国を広げていく

マタイ13章1−21節 序 マタイ13章は1節から52節までは、天の御国についての譬えが続いていきます 。 「天の御国」というのは、「神の国」と同義語です。国と訳されることばは、バシレイアといいますが、バシレウスというのは王様のことですから、バシレイアは…

ただひとつのしるし

マタイ12:38−45 1.しるし 12:38 そのとき、律法学者、パリサイ人たちのうちのある者がイエスに答えて言った。「先生。私たちは、あなたからしるしを見せていただきたいのです。」 イエス様は、いましがた、悪霊によって眼が見えず、耳も聞こえなくな…

神の国は到来した

マタイ12:22−37 1 パリサイ人の屁理屈を論破 12:22 そのとき、悪霊につかれて、目も見えず、口もきけない人が連れて来られた。イエスが彼をいやされたので、その人はものを言い、目も見えるようになった。 12:23 群衆はみな驚いて言った。「この人は…

ロゴスが人となった

ヨハネ1章1−18節 小海クリスマスイブ礼拝 みなさん、今晩、小海の夜空は黒いビロードにダイヤモンドをぶちまけたようです。ご覧になったでしょうか? むかし、神が造られたこの世界の調和を知るための学問は、天文学と幾何学と音楽とされたそうです。天文学…

神は人となった

ヨハネ福音書1:14−18 1 受肉 1:14 ことばは人となって、私たちの間に住まわれた。私たちはこの方の栄光を見た。父のみもとから来られたひとり子としての栄光である。この方は恵みとまことに満ちておられた。 新約聖書を読んだ人々が、つまづきを感じ…

永遠のロゴスが

ヨハネ1章1−3節 1:1 初めに、ことばがあった。ことばは神とともにあった。ことばは神であった。 1:2 この方は、初めに神とともにおられた。 1:3 すべてのものは、この方によって造られた。造られたもので、この方によらずにできたものは一つもない。 1. 初…

安息日には善を

マタイ12章9−14節1 安息日はレクリエーション日 父と子と聖霊の三位一体なる神様は、創造の第六日目に、御子に似た者として人間を創造なさいました。そして、万物が完成したとき、神様は安息日を宣言なさいました。「2:2 神は第七日目に、なさっていたわざ…

黄金(こがね)の麦畑で

1.律法の精神はあわれみ 12:1 そのころ、イエスは、安息日に麦畑を通られた。弟子たちはひもじくなったので、穂を摘んで食べ始めた。 ある安息日の朝、イエス様と弟子たちは、礼拝をささげるために会堂への道を歩んでいました。見渡せば、黄金色の麦畑でた…