苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

神を知る

宮きよめ・・・・・キリストというお方

「それから、彼らはエルサレムに着いた。イエスは宮にはいり、宮の中で売り買いしている人々を追い出し始め、両替人の台や、鳩を売る者たちの腰掛けを倒し、また宮を通りぬけて器具を運ぶことをだれにもお許しにならなかった。 そして、彼らに教えて言われた…

パスカル紹介

(散歩していて、「気のせいか、今年はオミナエシが目に付くわ」と家内がつぶやきました。) パスカルを読みたいという友人がいるので、少しばかり昔書いたものをここに二三回載せるつもりである。 筆者は、高校生のころ「源氏物語でも研究しながら一生食べ…

デカルトの神

「わたしはデカルトをゆるすことができない。かれは、その哲学全体の中で、できれば神なんかはなしですませたいと、思ったことだろう。しかし、世界に動きを与えるために神に指でひとはじきしてもらわずにはいられなかった。そのあとでは、もう神なんかに用…

愛と知識、そして・・・

昨日から東京渋谷区にある事務所に来ている。あちーーーーーー。暑いけれども、汗をびっしょりかくと、サウナに入ったような爽快感がある。しかも、無料。 昨日の会議はいつになく早く、9時には終わったので、しばし歓談と思ったら、結局ふとんに入ったのは…

原発輸出と神のみこころ

今回の原発事故以後、ずっと胸の内にあるが文章にすることをためらってきたことがある。だが今日、メモしておこうと思う。読者は煽られるのではなく各自判断していただきたい。それは、「日本が原発をベトナム、インド、タイ、トルコをはじめ、外国へまでも…

風も湖も    追記あり3.30

嵐のガリラヤ湖で、イエス様と弟子たちが乗る舟は木の葉のように翻弄されて、波をかぶって沈みそうになりました。弟子たちがイエス様をたたき起こすと、イエス様は「黙れ。静まれ。」と風と湖にむかって命令しました。すると凪になったのです。弟子たちは恐…

福島第一原発の見通しと救援活動について・・・お祈りください。

1.福島原発原子炉の実情と見通し 福島原発の実情と見通しについて、福島原発設計に携わった元東芝原発設計技師・工学博士の後藤政志氏が、「原子力資料情報室」の記者会見で説明している。3月19日時点の記者会見での内容が視聴できる。 クリック⇒http://ww…

穏やかな諏訪の海を望んで

手術をされた姉妹を見舞いに、家内と諏訪の赤十字病院に出かけた。諏訪湖のほとりにあって、談話室の大きな窓から諏訪湖が見渡せる。きらきらと輝く湖面、はるかに冠雪した北アルプスの穂高連峰が見える。 3月11日の地震と救援活動、その後の原発の危機的状…

アブラハムの生涯から

今回、KGKでは聖書の中の一人の人物に焦点をあてて学ぶということを希望されたので、アブラハムの生涯をとりあげて味わっている。伊作という名の人が二代目のクリスチャンに多いようだが、そのように命名した父親は、きっと自分自身をアブラハムに重ね合わせ…

KGKの学生たちの来訪

9日、松原湖バイブルキャンプでの春期学校をするということで、KGKの学生たち6人と田中主事が下見に来られた。湖が全面結氷して、その上を走り回ることができたのに感激していた。 自己紹介をお願いしたら、「どこそこ大学、どこそこ教会のだれそれ。」と…

論文:「神のかたち」であるキリスト  概要

『福音主義神学』(日本福音主義神学会)41号に、「『神のかたち』であるキリスト」という文章を載せていただきました。アウトラインは下記のようなものです。関心ある読者がいらっしゃるでしょうか。 「神のかたち」であるキリスト序 復活の日の午後、エマ…

神を知るには

新年を迎えて、地域に配っている『通信小海』の一つの欄で、神様ことをどんなふうにして知るかということを、わかりやすく順序立てて書いて、読者の求道に役立てればと思っている。今回書いたことは『神を愛するための神学講座』(1991年)の最初の部分に書い…

玉川直重『新約聖書ギリシャ語独習』

10月末、息子が畑仕事が終わってから、息子にギリシャ語の手ほどきをしていることは先日書いた。使っているテキストはメイチェンではなく、玉川直重『新約聖書ギリシャ語独習』である。現在40課中20課まで来ている。 メイチェンは初学者が独習するには無理が…

アブラムの旅立ち

「主はアブラムに仰せられた。 『あなたは、 あなたの生まれ故郷、あなたの父の家を出て、 わたしが示す地へ行きなさい。 そうすれば、わたしはあなたを大いなる国民とし、 あなたを祝福し、 あなたの名を大いなるものとしよう。 あなたの名は祝福となる。 …

復活の主、慰めの主

使徒20:1−12 2010年11月17日 小海主日礼拝序 1節から5節にパウロの移動の経路が記されています。少しややこしいので整理すると、 <エペソ→マケドニヤ→ギリシャ→マケドニヤ→トロアス>となっています。(1-5節) というわけで、本日の箇所はトロアスでの…

自然啓示の是非

自然啓示が問題なのだということを、はじめて認識したのは、大学生のとき、ゼミでティリッヒの組織神学の啓示論を読んでいたときだった。教授は小川圭治先生だった。そのティリッヒはnatural revelationは間違いで、revelation through natureと言うべきであ…

顔で決めるな その3

昨日、妖怪人間ベム・ベラ・ベロのことを書いた。彼らは人間の敵どもと命をはって戦っているのに、助けられた人間は、ベムたちに感謝するどころか、その恐ろしい姿ゆえに、彼らを排斥する。そして、挙句の果てベムたちは警察に追われる身となって家ごと焼き…

旧約のイエス その4 モーセが出会ったイエス

「アブラハムが生まれる前から、わたしはいるのです。」とイエスがおっしゃると、ユダヤ人たちはイエスを石打ちにしようとした(ヨハネ8:59)。石で人を打つなんて、いたずらっ子みたいだ。「投げていいのはボールだけ」と、妻は子どもたちが小さいころよく…

旧約のイエス その3イエスと旧約のYHWH

最近、新約聖書を読んでいて気になるのは、主イエスと旧約の【主(YHWH)】が同一視されている文である。たとえば・・・ ローマ10:9-13 「なぜなら、もしあなたの口でイエスを主と告白し、あなたの心で神はイエスを死者の中からよみがえらせてくださったと…

旧約のイエス その2  アブラハムが出会ったイエス

「『あなたがたの父アブラハムは、わたしの日を見ることを思って大いに喜びました。彼はそれを見て、喜んだのです。』そこで、ユダヤ人たちはイエスに向かって言った。『あなたはまだ五十歳になっていないのにアブラハムを見たのですか。』イエスは彼らに言…

旧約のイエス その1 イザヤが見たイエス

このごろ気になっている聖書のことばがある。 「『主は彼らの目を盲目にされた。また、彼らの心をかたくなにされた。それは、彼らが目で見ず、心で理解せず、回心せず、そしてわたしが彼らをいやすことのないためである。』イザヤがこう言ったのは、イザヤが…

旧約のキリスト

今年の「福音主義神学」に寄稿するつもりの文章をほぼ書き上げた。内容は、コロサイ書1章15節に見る創世記1章27節解釈を出発点として、特に「神のかたち」としての御子を取り上げた。キリスト論的把握による旧新約聖書の一貫した理解に役立ち、キリストの福…

神への愛と隣人への愛

「一番たいせつなのはこれです。『イスラエルよ。聞け。われらの神である主は、唯一の主である。心を尽くし、思いを尽くし、知性を尽くし、力を尽くして、あなたの神である主を愛せよ。』 次にはこれです。『あなたの隣人をあなた自身のように愛せよ。』この…

汝としての神

わたしたちは何かを知るとき、相手が人格である「私とあなた」というばあいと、相手が物である「私とそれ」というばあいとで、かかわりかたが異なっている。相手が物であるばあい、こちら側がただ一方的に対象を知ることに努めればよい。さまざまの観察機器…

神を知る三段階

「神を知る」ことについては、J.I.パッカー師からたいせつなことを学んだ。先生はみことばを味わうとき、いつも三つのステップを踏まれるという。第一は、そのみことばは神をどういうお方であると教えているかを味わうこと。第二は、その神を喜び、味わい、…

教理体系見直し5 キリストの職務

小麦のリース。収穫の季節ペンテコステを記念します。リース工房yutorieさん(http://yutorie.exblog.jp/)より。 5.キリストの職務 (1)仲保者 受肉より前の「神のかたち」である御子は、創造と摂理においては神と被造物の仲保者としての役割をになわれ…

教理体系見直し4 キリストの神性と人性

4.キリストの神性と人性 (1)キリスト論論争とカルケドン会議 カルケドン信条451年 「されば、聖なる教父等に従い、一同声を合わせ、人々に教えて、げにかの同一なる御子我らの主イエス・キリストこそ、神性に於いて完全に在し人性に於いてもまた完全に…

教理体系見直し3 人間論ー堕落後

3.人間論―堕落後(1)人は主の戒めに背いて、神との関係における秩序を破壊し、神との霊的断絶状態になった。これが霊的死を意味する。 サタンに憑依されたへびは、「あなたは神のようになり、善悪を知るようになる」(創世記3:5)と誘惑した。人は、へび…

教理体系見直し2 人間論―堕落前

2.人間論ーーー堕落前(1)被造物のうち、とりわけ、人は「神のかたち(御子)」にしたがって創造された 「神は仰せられた。『さあ人を造ろう。われわれのかたちにおいて(ベ・ツェレムヌ)、われわれの像において(キ・デムーテヌ)。彼らが、海の魚、空の…

教理体系見直し1 神、三位一体論

これから数回に分けて、「神のかたち」としての御子という観点から、主要な聖句をピックアップして整理してみる。このメモは筆者の最終的見解ではなく、今後修正していくであろう覚書の段階であることをくれぐれもお忘れなく。1.神、三位一体論 (1)御子…