夜に霧雨が降ったようで、今朝の苫小牧はしっとりしています。でも太陽は見えず、白い空。数十メートル先の病院の看板が霞でかすんでいます。
春になると、苫小牧はこういう感じの日が多くなり、それが7月まで続きます。だから日照時間が少なくて農業に適しません。苫小牧周辺は今も灌木が生えた原野が広がっています。今でこそ有数の港湾都市となっている苫小牧は、その昔は小さな漁村でした。
江戸時代の終わりに、ロシアの船が苫小牧の沖に頻々と出没するようになり、幕府は防衛のために八王子の千人同心と呼ばれる侍たちの指定100名をこの地に移住させたのだそうです。食料は現地で種を蒔いて収穫すればよい、ということで。しかし、想像を絶する寒さと、農業不適地という状況の中で、多くの人々は病に倒れ、死んで行き、撤退を余儀なくされたのでした。
そんな歴史があって、八王子市と苫小牧市は姉妹都市提携を結んでいます。