苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

ローズンゲン12月29日  神は王を廃し、王を立てる

ダニエル2:21
<口語訳>
神は時と季節とを変じ、
王を廃し、王を立て、
知者に知恵を与え、
賢者に知識を授けられる。

<新改訳>
神は季節と時を変え、
王を廃し、王を立て、
知者には知恵を、
理性のある者には知識を授けられる。

<新共同訳>
神は時を移し、季節を変え
王を退け、王を立て
知者に知恵を、
識者に知識を与えられる。

 翻訳上の特徴としては、新改訳の「理性のある者」という訳語。もとは単に「知っている者」だから知者でよいだろう。後ろの二行は単なる並行法で、同じ意味を繰り返しているだけと思われる。
 内容的に気になるのはむしろ前半。神は、時と季節を変じ、王(複数)を廃し、王(複数)を立てるということ。文脈としては、ネブカデネザル王が悪夢を見て、その夢を告げかつその意味を解けという命令を発したのに対して、ダニエルが答えようとするところ。このあとダニエルは、王の見た巨像の姿は、諸王国の盛衰の歴史を意味するのだと説き明かす。
 神は摂理をもって王を廃し、王を立てる。権力を目指す者たちは自らの権勢欲で持って、その王座を手に入れたり、失ったりしているつもりだが、実は、神は摂理をもってその歴史を導き給う。であれば、今の時代も焦ることなく、落ち着いて祈り続けることがなにより大事なことである。
「神様。私たちの国に、憲法の下に己が分をわきまえる謙遜さを持ち、公正と貧富の格差是正のために善政を行う為政者を立ててください。」