詩篇33:11
口語訳>
主のはかりごとはとこしえに立ち、
そのみこころの思いは世々に立つ。新改訳>
【主】のはかりごとはとこしえに立ち、
御心の計画は代々に至る。新共同訳>
主の企てはとこしえに立ち
御心の計らいは代々に続く。
詩篇33篇は主の創造のみわざと、その摂理を賛美する一篇である。すなわち創造については、
「33:6 【主】のことばによって、天は造られた。
天の万象もすべて、御口のいぶきによって。
33:7 主は海の水をせきのように集め、
深い水を倉に収められる。
33:8 全地よ。【主】を恐れよ。
世界に住む者よ。みな、主の前におののけ。」
と歌い、摂理については、特に国々の盛衰は主の支配下にあるのだと告げる。
33:10 【主】は国々のはかりごとを無効にし、
国々の民の計画をむなしくされる。
王は軍事力をもって国を強くすることで安全を確保し、勝利を得られると考えるが、実はそうではない。
33:16 王は軍勢の多いことによっては救われない。
勇者は力の強いことによっては救い出されない。
33:17 軍馬も勝利の頼みにはならない。
その大きな力も救いにならない。
では、本当に有効な助け、防備は何なのか?
33:20 私たちのたましいは【主】を待ち望む。
主は、われらの助け、われらの盾。
「王は軍勢の多いことによっては救われない」とあるのを見て、ふとある文章を思い出した。その文章は、米国は世界最大の軍事大国だが、実際には、先の世界大戦で勝利を得た後は、一度も戦争に勝ったことがないのだと指摘していた。そう、米国はベトナムに負けたのだ。先制攻撃をしかけたイラク戦争では勝利宣言をしたけれど、今やあれが勝利だったと思っている人はどれほどいるだろうか。以前、「一番喧嘩の強い奴の仲間になっておくことが、わが国の安全保障として得策なんだ」とダミ声で言っていた柄の悪い総理大臣がいたが、彼のことばは当然に見えて、実は、間違いである。みことばと歴史はそんなことはないと教えている。主をこそ、われらの助け、われらの盾。
追記>用語解説。「聖定decree」は創造の前の神の立てた計画を意味し、聖定にしたがって「創造」が実施され、創造されたものを導く配慮・保持・統治が「摂理providence」。