苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

2015.09.15「戦争法案廃案!国会正門前行動」: 安海和宣さん (特定秘密保護法に反対する牧師の会)


 みなさん、こんばんは。特定秘密保護法に反対する牧師の会の安海和宣と申します。9/1現在、日本全国の573名の牧師が当会の賛同者として名を連ねております。普段は存在感が薄い牧師が立ち上がっております!
 特定秘密保護法のみならず、集団的自衛権、この安保法案、全部が米国と一体となって戦争ができる国作りをするための布石です。
  私は昨日も傍聴に行きました。審議を見れば見るほど、とんでもない内容であるということが明らかになってきています。しかも、憲法立憲主義の原則が踏みにじられる形で進められています。
 平和を破壊する行為を、私たちは断じて許す訳には行きません!
 聖書には、「平和を作るものは幸いです」というイエス・キリストの言葉があります。平和は、待っていてやってくるものではなく、作り出すものだ、というのであります。私たちは平和を作る、作り出す者としてこの場所にいます。
 しかし、安倍政権は、平和を破壊する道を進もうとしている。そして、かつて日本が取った誤った道へと逆戻りさせようとする道です。

 私は、日本軍がかつて侵略したインドネシアのポンティアナックにて幼少期を過ごしました。日本軍が虐殺をし、2,000人とも2万人とも言われる人々が殺された場所です。戦争によって、日本軍によって命を奪われる人々の悲しみに触れ、「一緒に遊んではいけない」と言われたことが忘れられません。
 もう一つ。米国留学中に9.11同時多発テロがありました。ナショナリズムが煽られて、イラク戦争へと突入していく様を目撃しました。
 ここに残念なお知らせがあります。
 そのときの様子と今の日本は、限りなく似ているということです。まずメディアが自粛し始めました。政府にとって都合の悪いものは隠されていく。そして次に、恐怖心を煽ります。テロに備えなければならない。これが国家としての責任だといってテロとの戦いが正当化され、ついにはこれこそが「正義だ」と国中が盛り上がり、8年8ヶ月に渡る泥沼の戦争に突入していきました。
これが私の戦争の「被害者」の側と「加害者」の側の面を見てきた個人的な体験であります。今、ここに集まる皆さんにも、戦争ではなく平和を求める個人のストーリや理由があることでしょう。その理由はなんでしょうか?
 海外に住んでおりますと、「日本は特別な国だね」と見られることがあります。日本の製品の品質の高さや、おもてなしの精神、和を重んじる心、崇高な文化を持つゆえということもありましょう。しかし大きな理由は「平和憲法」を持つ日本が決して戦争をせず、戦後70年間戦争で一滴の血も流すことがなかったということだと確信しています。世界から「特別な国」と見られているわが国が、その特別性を取り払い、グローバル・スタンダードなる「普通の国」になり下がることを大変残念に思います。
 政府は、近年の緊迫した世界情勢の中で、集団的自衛権によって「抑止力」を高める必要があると訴えています。しかし、本当の「抑止力」とは武力拡大競争が生み出す「ジレンマ」をはらむ「抑止力」でしょうか?いいえ、そうであるはずがありません!そのことは冷戦という歴史から人類は学びました。「抑止力」が、もし「外国に攻撃させないこと」、また万一「攻撃された時の備え」ということであれば、それは軍事力によらない国家間の良好な関係作りというカタチもあります。良好な人間関係と同じように、良好な国家関係の構築です。友人作りに大切なのは人間力を高めるのと同じように、国家も「外交力」をもって友人となる国を一つでも多く作ることです。有事の際は、友達は必ず犠牲を惜しまず助けてくれます。世界から「特別な国」と認められている日本には、この形での「抑止力」を構築していくことができると確信します。

【日本は現在、紛れもなく弱さの中にあります。それは、福島の原発の問題です。いまだに20万人近くの人々が避難生活を送り、原発廃炉に向けての具体的な道筋が見出せていません。
牧師をしていますと、日々色々な方と出会います。職を失い、住む場所を追われる人。彼らに残された選択肢は自らの命を絶つか、「福島で働かないか」という甘い囁きに乗ることだ、というのであります。仕事と子育てに疲弊しきったシングルマザー。「あなたと話したのが一週間ぶりの会話よ」と節目がちに語る孤独なお年より。これらの人たちにたいする支援の手を引っ込めて、防衛費を上げていくという国のあり方が、日本人として、いや人として本当に正しいのでしょうか?】

 みなさん、
平和を作っていきましょう!
このようにデモに参加したり、要請行動することで、私たち主権者の声を為政者たちに届けていくことによって。

平和を作っていきましょう!
現場で何が起こり、何が審議されているかを直接見聞きすることで。

平和を作っていきましょう! 
選挙を通して、国民のことを本気で考え、犠牲をもって仕える精神を持つ本物のリーダをこの国会に送り込むことで。

平和を作っていきましょう!
私たちのすぐ側にいる家族や友人、同僚、上司部下を思いやることで。弱さやハンディを持つ人に対して、慈愛を示すことで。

平和を作っていきましょう! 
平和憲法ここにあり!!」と世界に宣言することで。

キリストの平和が、みなさんお一人お一人の上に豊かにありますようお祈りいたします。ご清聴ありがとうございました。