苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

【あかりちゃん】ヒゲの隊長に教えてあげてみた


よくできてるなあと感心しました。

あかり「じゃあ、ズバリ言うけど、今回の安保法制、憲法違反だよね」
 ヒゲ「そーりゃ大変だ」
 あかり「超大変だよ。この時代に立憲主義の否定なんて。どこの独裁国家って感じ。ありえない。恥ずかしすぎて国際社会に顔向けできないんだけど」
 ヒゲ「そんなことない。でも、本気で心配なんだね。大事な問題だよね。政治をあずかる私たちも真剣に考えているんだ」
 あかり「真剣に考えているわりには、真剣に国民に説明する気はなさそうだけどね。国民の8割が説明不足、6割が反対って言ってるのに、理解を得られなくても決めるって、首相も高村(正彦・副総裁)さんも言ってたよね。戦争法案って批判されたら名前だけ変えてみせたり、まったく詐欺師かよって話だよ」



 ヒゲ「実際に日本にミサイルを向けている国があるの知ってる?」
 あかり「中国って言いたいんでしょ? はっきり言えよ。しかもなんか最近ミサイル向けられたみたいな言い方してるけど、ミサイルの照準が向いているのは冷戦期から変わってないんだけど。なんのために危機感煽ってるの?」
 ヒゲ「もし、現実にミサイルを撃ってきたらどうする?」
 あかり「現実にミサイル撃ってきたら個別的自衛権で対応できるでしょ。あんたたちが無理やり押し通そうとしてる集団的自衛権の話とは関係ないよね。それにミサイルを撃たせないようにすることが政治なんじゃないの? ちょっと煽られただけで大騒ぎするなんてプライドだけ高くて気が安いボンボンの発想だよね」

ヒゲ「衛隊のスクランブル発進は10年前の8倍だ」
あかり「そもそも冷戦期にはそれ以上の発進回数があったのに、あえて最低の回数だった10年前と比べる理由は?」
ヒゲ「北朝鮮も核実験を繰り返しているし、最近はテロや、サイバー攻撃も本当に深刻。私たち日本人もいろんな脅威にさらされているんだ!」
あかり「「サイバー攻撃とか言ってる暇あったら、まずは年金の情報流出の件なんとかしてくんない? つーか、テロって戦争に参加するから狙われるんだけど。あんたたちは戦争に参加できるようにしたいんだよね? 自分言ってることが矛盾してるのわかってる?」

あかり「狂った政権が一番の脅威だってのは私もびっくりだけど」

あかり「抑止力って言葉、ほんと好きだよね。対テロ戦争にそんな抑止力なんて効かないし、アメリカ見てみなよ。日本は今まで戦争しない国として様々な平和貢献をしてきた。特に紛争地域、貧困地域における民間レベルの活動は、本当に大きな信頼を得てる。それこそが一番の抑止力でしょ? なのにそんなことも無視して無駄なマッチョイズムを政治に持ち込むわ、そのために憲法違反まで侵して突っ走っちゃうわ……あんたのとこのボスに一言伝えてあげてよ、『狂ってますよ』って。簡単でしょ」
 ヒゲ「(ニッコリして)あはん。そんなに簡単じゃあないんだ」
 あかり「でしょうね」
 ヒゲ「(突如3体に増殖して)でも何重にも備えることは大事」
 あかり「増えてんじゃねえよ、キモいな」

 
 あかり「最後にひとつ、徴兵制に関して。憲法を軽んじて解釈改憲しようとしているくせに、なぜか徴兵制に関してだけは『憲法で禁じられているから』と言って絶対にしないと言い張ってる」
 ヒゲ「そんなこと──」
 あかり「あなたたちの狙っているのは経済的徴兵制だから。日本はいま貧困大国になろうとしてる。大学に通いたくてもお金のない18歳の若者に、他の仕事とは比べものにならない厚遇で自衛隊入隊の手紙が来る。そうやって自発的に軍隊に押し込むんだよ。アメリカがそうしてるみたいに」
 ヒゲ「そんなことないから」
 あかり「本音をいえば徴兵もしたいんじゃないの? そういうマッチョなの大好きだもんね。訓練受けさせて思想教育して美しい日本人が作れるとでも思ってるんでしょ。選挙権を18歳にまで引き下げたのもその関係だもんね」
 ヒゲ「絶対にありえない、だって、だって、だって──」
 あかり「ほらね、その先言えないでしょ? 図星だもんね。あんたたちが間抜けなことばかり言っているあいだに国会前は法案に反対する人たちで溢れかえるよ。もし来てくれたら“主権在民”っていう中学で習う単語について教えてあげるね。待ってますよ、佐藤正久議員」