<ドイツでは労働者は定刻に仕事をスタートし、定刻に仕事を終えて、家庭や友人との交流をし、かつ、生産効率はすばらしくて経済大国を誇っている。ところが、日本人は働き蜂と揶揄されて残業残業で、生産効率が悪いことで知られている。日本人は、ドイツ人に比べて無能だから、生産効率が悪いのだろうか?>
そんな疑問を、ある製造業の会社の元副社長と言う立場に抜擢されて会社経営に携わった経験のある男性にぶつけてみた。
答えは次のとおり。日本の経営者たちは、賃金を最低限に抑えて自分が儲かることしか考えない。それで、労働者は残業をしなければ家族を養ってゆくことができないので、1時間でできる仕事を2時間かけてやることで残業を作り出してきた。したがって、生産効率が悪い。他方、ドイツの経営者は、残業しなくても生活できるだけの賃金を支払っているから、労働者は集中力をもって勤勉に働き、生産効率よく仕事をしている。
だが、今では、日本の経営者は、リストラを行ない、半分は契約社員にして給料をカットし、正社員に抱えきれない仕事をあれもこれも押し付ける方策に出ている。そのため、過重労働を押し付けられた労働者は、病気になったり、自殺者が増えたりして、労働意欲をますます失っている。それゆえに、生産効率がますます悪くなっている。
日本の経営者のほとんどは、かんてんぱぱの年輪経営とは正反対のことをしていることがよくわかって、驚いた。
聞きなさい。金持ちたち。あなたがたの上に迫って来る悲惨を思って泣き叫びなさい。あなたがたの富は腐っており、あなたがたの着物は虫に食われており、あなたがたの金銀にはさびが来て、そのさびが、あなたがたを責める証言となり、あなたがたの肉を火のように食い尽くします。あなたがたは、終わりの日に財宝をたくわえました。
見なさい。あなたがたの畑の刈り入れをした労働者への未払い賃金が、叫び声をあげています。そして、取り入れをした人たちの叫び声は、万軍の主の耳に届いています。あなたがたは、地上でぜいたくに暮らし、快楽にふけり、殺される日にあたって自分の心を太らせました。(ヤコブ書5章1−5節)