3:10 私たちは、あなたがたのところにいたときにも、働きたくない者は食べるなと命じました。 3:11 ところが、あなたがたの中には、何も仕事をせず、おせっかいばかりして、締まりのない歩み方をしている人たちがあると聞いています。 3:12 こういう人たちには、主イエス・キリストによって、命じ、また勧めます。静かに仕事をし、自分で得たパンを食べなさい。(2テサロニケ3:10−12)
「締りのない歩み方」という本訳語が珍しい感じがした。同じ語が6節7節にも出てくる。ここでは、具体的に言えば働こうとせずおせっかいばかりしていること、つまり、無為徒食を意味している。テサロニケには、どうもそういう人々が多かったらしい。第一の手紙にも、落ち着いて自分の仕事をせよとパウロは命じている。恐らく背景には、労働を「苦役」と軽蔑するギリシャ文化的な背景があるのだろう。
しかも、テサロニケ教会は再臨信仰が強かったので、再臨が間近だという意識から、仕事なんかしてもむだだという口実にしたようである。ほんとうは、主が来られたときに、キリスト者として主を愛し隣人を愛し、置かれた持ち場において、静かに働いて、自分で得たパンを食べる生活をしていることが、よき備えなのである。