苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

ローズンゲン4月17日  さばくようにさばかれる

詩篇7:8
ヱホバはもろもろの民にさばきを行ひたまふ
ヱホバよわが正義とわが衷なる完全とにしたがひて我をさばきたまへ(文語訳)

主はもろもろの民をさばかれます。
主よ、わたしの義と、わたしにある誠実とに従って、わたしをさばいてください。(口語訳)

【主】は諸国の民をさばかれる。
【主】よ。私の義と、私にある誠実とにしたがって、私を弁護してください。(新改訳)

主よ、諸国の民を裁いてください。
主よ、裁きを行って宣言してください
お前は正しい、とがめるところはないと。(新共同訳)

まず翻訳の特徴を見てみる。
1 新共同訳は「裁いてください」と激しい。「諸国の民をさばかれます」の「さばく」は未来形で穏やかな命令(jussive)にも訳せる。だから、激しい要求ではない。文語、口語、新改訳が正解だろう。
2新共同訳は、「〜にしたがって」ということばがない。「〜にしたがって」にあたる前置詞kがヘブル本文にはある。
3文語訳、口語訳はほとんど同じ。新改訳は「弁護してください」という用語が特徴的。後半部の「私を裁いて」とか「弁護して」(新改訳)とか訳されることばはシャパット。qal形では「さばく」と辞書にはある。辞書がすべてとは思わないけれども一応スタンダードなんだろう。
 というわけで、文語訳、口語訳が正解だろう。不当な苦しみを与える悪しき「諸国の民」にさばきを求める詩人。だが、敵へのさばきを求めるときには、同じ秤で私をもさばいてくださいと求めていることを忘れないこと。

「あなたがたがさばくとおりに、あなたがたもさばかれ、あなたがたが量るとおりに、あなたがたも量られるからです。」(マタイ7:2)