苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

ソロモン(その1)

「こうして国はソロモンの手に堅く立った。」(列王下22方46節 口語訳)
「こうして王国はソロモンによって確立した。」(新改訳)

  列王記上の最初の二章は、この結論に向けて記されている。1章ではソロモンの異母兄アドニヤが父ダビデの王座を取ろうとした事件が記されていた。 第2章の最初には、ダビデ王のソロモンへの遺言として、未処理のヨアブの二将軍暗殺の罪、シムイの罪を処理すべきこと。バルジライの恩義に報いるべきことが告げられた。
 ソロモンはこれらの課題を着実に実行していく。まず王座をねらった異母兄アドニヤを彼が父ソロモンに仕えた美女アビシャグを欲したことを理由に処刑。祭司エブヤタルは罷免。将軍ヨアブは暗殺の罪ゆえに処刑。ついで、サウルの家の者シムイに誓いを立てさせて、彼自らそれを破る機会をとらえて処刑。ソロモンはこれら王国内の危険分子を本人たちの犯した罪に対する処罰という大義名分が立つかたちで処理している。このあたりをソロモンの知恵というのだろうか。
 ソロモンの知恵とかソロモンの事業はよく見えるのだが、ソロモンの人となりについては、豪華な王のガウンに包まれていてよく見えない。名高い王ではあるが、聖書を読む人でソロモンに魅力を感じるという人は少ないのではないだろうか。

   電柱のとんび