11:1さてアハジヤの母アタリヤはその子の死んだのを見て、立って王の一族をことごとく滅ぼしたが、 11:2ヨラム王の娘で、アハジヤの姉妹であるエホシバはアハジヤの子ヨアシを、殺されようとしている王の子たちのうちから盗み取り、彼とそのうばとを寝室に入れて、アタリヤに隠したので、彼はついに殺されなかった。 11:3ヨアシはうばと共に六年の間、主の宮に隠れていたが、その間アタリヤが国を治めた。
(中略)
11:20こうして国の民は皆喜び、町はアタリヤが王の家でつるぎをもって殺されてのち、おだやかになった。 11:21ヨアシは位についた時七歳であった。
(列王記下11章 口語訳)
ソロモンの死後、イスラエル王国は南北に分裂して、列王記の記述も南北を行ったり来たりするので流れが読みにくい。しかも、同じ名前の王が出てくるので混乱してしまう。11章の記述はユダ王国のほうである。
レハベアム
アビヤ
アサ
ヨシャパテ
ヨラム
アハズヤ
と王が続いてきて、このアハズヤが北イスラエル王国のエフー(エヒウ)に殺されてしまった。アハズヤの母アタルヤ(アタリヤ)は、恐ろしい女で、継承資格のあるダビデ家の王子たちをことごとく殺して、自分が女王となってしまう。クーデターである。ダビデ王朝唯一の女王である。
このままでは、ダビデから来るべきメシヤにまでつながっていなければならないダビデの王統が途切れてしまう危機である。ユダ族のダビデの王統にメシヤが来ることは神の御計画だった。虐殺の嵐のなか、勇気ある女性に守られてただひとりヨアシュ(ヨアシ)が難を逃れて、後に、アタルヤが処刑されて後、ダビデの王座に着くことになる。
神の御計画を壊すことはできない。