御殿場市が、バーやナイトクラブに休業補償を前提に、休業要請をしたそうです。
普通に考えれば、こういう政策をとるでしょう。なぜなら、感染源となる業種は、すでに経験的にスポーツジム、ライブハウス、飲み屋さん、風俗関係と特定できているのですから、そういう業種にしぼって、休業補償を出して、きちんと休んでもらえれば、ほかの業種は通常のように活動していて、経済全体が共倒れにならないですんだでしょう。
ところが、政府は絶対に休業補償はしないという態度で来たので、感染が広がり続けました。そして、結局、緊急事態宣言なんてもので、感染源になる可能性がほとんどない業種にまで広く自粛要請することになってしまいました。ものすごい数の労働者、店舗の減収分を補填するために、感染源となる特定業種の休業補償よりも、はるかに莫大な税金を投じることにしました。これでは、経済全体・国全体が共倒れになってしまいそうです。しかし、すでに感染が広がってきて、感染経路が追跡できなくなっている今となっては、特定業種のみ休業というのは遅いのかもしれませんね。からだのある部位に癌ができたら、速やかにそこだけ切除すればいいのに、放置して体中に転移させて、手の着けようがなくなり、慌てて体全体に放射線かけまくって死にそうになっているという感じ。
自治体の長は、政府任せにして責任逃れせず、自ら責任を取る覚悟を決めて、普通に考えてまともな判断をして行動するほかないでしょう。そういう意味では、北海道知事、御殿場市長は立派です。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/shizuoka/20200408/3030006453.html?fbclid=IwAR1sK3PJJou5C1a1ZQMiQJGGMOSwnUea9NyXjjJ7qgwi_QlbouZSCque-f4
<追記>
今回のことを思いめぐらしていたら、アブシャロムのことに思い当りました。アブシャロムの軍が父ダビデを憎んでエルサレムに迫ると、ダビデ王は息子との戦いを避けてエルサレム城を捨てて逃げて森に潜みました。そのとき、軍師アヒトフェルとアルキ人フシャイが、それぞれ王に進言した場面を思い出しました。
第二サムエル記17章
17:1 アヒトフェルはさらにアブシャロムに言った。「私に一万二千人を選ばせてください。私は今夜、ダビデのあとを追って出発し、
17:2 彼を襲います。ダビデは疲れて気力を失っているでしょう。私が、彼を恐れさせれば、彼といっしょにいるすべての民は逃げましょう。私は王だけを打ち殺します。
17:3 私はすべての民をあなたのもとに連れ戻します。すべての者が帰って来るとき、あなたが求めているのはただひとりだけですから、民はみな、穏やかになるでしょう。」
17:4 このことばはアブシャロムとイスラエルの全長老の気に入った。
17:5 しかしアブシャロムは言った。「アルキ人フシャイを呼び出し、彼の言うことも聞いてみよう。」
17:6 フシャイがアブシャロムのところに来ると、アブシャロムは彼に次のように言った。「アヒトフェルはこのように言ったが、われわれは彼のことばに従ってよいものだろうか。もしいけなければ、あなたの意見を述べてみなさい。」
17:7 するとフシャイはアブシャロムに言った。「このたびアヒトフェルの立てたはかりごとは良くありません。」
17:8 フシャイはさらに言った。「あなたは父上とその部下が戦士であることをご存じです。しかも彼らは、野で子を奪われた雌熊のように気が荒くなっています。また、あなたの父上は戦いに慣れた方ですから、民といっしょには夜を過ごさないでしょう。
17:9 きっと今、ほら穴か、どこか、そんな所に隠れておられましょう。もし、民のある者が最初に倒れたら、それを聞く者は、『アブシャロムに従う民のうちに打たれた者が出た』と言うでしょう。
17:10 そうなると、たとい、獅子のような心を持つ力ある者でも、気がくじけます。全イスラエルは、あなたの父上が勇士であり、彼に従う者が力ある者であるのをよく知っています。
17:11 私のはかりごとはこうです。全イスラエルをダンからベエル・シェバに至るまで、海辺の砂のように数多くあなたのところに集めて、あなた自身が戦いに出られることです。
17:12 われわれは、彼を見つけしだい、その場で彼を攻め、露が地面に降りるように彼を襲い、彼や、共にいるすべての兵士たちを、ひとりも生かしておかないのです。
17:13 もし彼がさらにどこかの町に入るなら、全イスラエルでその町に綱をかけ、その町を川まで引きずって行って、そこに一つの石ころも残らないようにしましょう。」
17:14 アブシャロムとイスラエルの民はみな言った。「アルキ人フシャイのはかりごとは、アヒトフェルのはかりごとよりも良い。」これは【主】がアブシャロムにわざわいをもたらそうとして、【主】がアヒトフェルのすぐれたはかりごとを打ちこわそうと決めておられたからであった。
結局、これでアブシャロムは父ダビデを討つチャンスを逃してしまいました。なぜアブシャロムはアヒトフェルの作戦を退け、フシャイの作戦を採用して罠にはまったのでしょうか。それはアヒトフェルの作戦は確実だが地味で自分の目立つ場面がないのに対して、フシャイの大作戦は派手で自分のパフォーマンスの場面が大いにあるように思えたからでしょう。フシャイはアブシャロムの虚栄心を突いたのでした。