春からHBIで新規の担当として、カテキズムで聖書的教理の全貌を把握するというクラスを始めることにしました。
聖書解釈でいつも強調するのは「木を見て森を見ず」になってはいけないということです。語句が意味を獲得するのは、文脈によるからです。ワードスタディに凝ると、連想ゲーム的に勝手解釈をしてしまいがちです。じゃあ、文脈とは何かといえば、まず、当該パラグラフで、次いでもう少し広くとって、次いで、その書全体の構成の中で、次いで、同一記者の諸書の中で、そして聖書全体の中で、ということです。聖書全体を見る方法は契約を軸として歴史的順序で見る方法と、論理的体系に整理してみる方法がありますが、カテキズムのクラスでは、この一番大きな文脈として聖書教理の森全体を論理的順序で見ようということです。
ではどのカテキズムを用いるか、です。ルターの小教理、カルヴァンのジュネーブ、ハイデルベルク、いやウェストミンスター大教理問答、いやむしろ『W告白』の方が網羅的かなどと、いろいろ考えましたが、すっきりとした全貌把握のためにウェストミンスター小教理(Westminster Shorter Catechism)を大きな枠として、不足を補うということにすることにしました。あらためてWSCを味わうと、やはりカテキズムの傑作中の傑作です。私は初めて増永俊雄牧師と面談したときに、この問答書の第一問答を聞かされたのでした。