三笠宮「紀元節についての私の信念」(「文藝春秋」59年1月号)
「昭和十五年に紀元二千六百年の盛大な祝典を行った日本は、翌年には無謀な太平洋戦争に突入した。すなわち、架空な歴史――それは華やかではあるが――を信じた人たちは、また勝算なき戦争――大義名分はりっぱであったが――を始めた人たちでもあったのである。もちろん私自身も旧陸軍軍人の一人としてこれらのことには大いに責任がある。だからこそ、再び国民をあのような一大惨禍に陥れないように努めることこそ、生き残った旧軍人としての私の、そしてまた今は学者としての責務だと考えている」
「偽りを述べる者が愛国者とたたえられ、
真実を語る者が売国奴と罵られた世の中を、
私は体験してきた。」
歴史修正主義者が政権の座にいるわが国の現状の危うさ。