苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

ネメシェギ神父の話を聴きに

 おはようございます。今日は四谷のイグナチオ教会ヨセフホールに4時、家内と出かけます。ハンガリーから90歳になられるネメシェギ神父が来られて、福音書にみる神様の愛という話をしてくださるというので、信州の山奥から出かけることにしました。

 なんでカトリックのネメシェギ神父の話を?と思われる方も多いでしょうね。わたしがネメシェギ神父の本を読んだ最初は、神学生時代に『父と子と聖霊』というモノグラフに出会ったことです。平明、明晰な日本語で書かれた神学書でした。三位一体論の教理史をまなぶには、今も最良の本だと思います。

 そして、数年前、宮村先生からネメシェギ神父の本を10冊いただきました。上記の本とあわせて『神の恵みの神学』『主の晩餐』は神父の三部作。そして、神学的エッセイ集『イエスを仰ぐ』『蛍』『ひまわり』など。『神の恵みの神学』は組織神学的な本ですが、やはりカトリックですから義認論のあいまいさ、という限界があります。むしろ、舌を巻いたのは神学的エッセイのほうです。込み入った学問的な話になると、まあほかの著者の文体とさして印象は変わらないのですが、ややこしい議論にはいる前、それぞれの本の最初のとっかかりの部分の随筆的な文章がじつに味わい深いのです。

 それからごく最近読んだのが、『ペピの青春物語ーハンガリー戦争と平和』。ハンガリーの美しい山河、音楽を愛する父母のもとですごした幸せな少年時代、ヒトラーの出現によって戦車に踏みつぶされた故国、そして戦後はソ連侵攻による教会弾圧のなかで神学生となって、鉄条網を潜っての亡命。ネメシェギ神父の平和への使命感の原点はここにあったのだと知りました。