苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

現代のにせ預言者

  「『なぜなら、身分の低い者から高い者まで、
  みな利得をむさぼり、
  預言者から祭司に至るまで、
  みな偽りを行っているからだ。
   彼らは、わたしの民の傷を手軽にいやし、
  平安がないのに、
  『平安だ、平安だ』と言っている。
   彼らは忌みきらうべきことをして、
  恥を見ただろうか。
  彼らは少しも恥じず、恥じることも知らない。
  だから、彼らは、倒れる者の中に倒れ、
  わたしが彼らを罰する時に、よろめき倒れる』と
  主は仰せられる。」エレミヤ書6:13-15

 エレミヤの時代、南ユダ王国の上に神の裁きが迫っていた。しかし、神が遣わしてもいない偽預言者たちは、「平安だ、平安だ」と語り続けていた。預言者たちは王と癒着して、王にとって都合の良いことばを、神のことばだとして宣伝し、結局、国を滅びに導いた。預言者というものを広く解釈して歴史に適用すれば、たとえば、ヒトラー政権におけるゲッベルス宣伝大臣、戦時下の日本における文部省や「大本営発表」を繰り返して国民を戦争に駆り立てた大新聞が、偽預言者にあたる。
 しかし、これは過去のこととしてすませられるだろうか。今年4月28日の野中広務元幹事長の発表以来、筆者はマスメディアの中立公正さについて以前にもまして疑念をいだくようになった。野中氏は慣例にならって、官房長官在任中、国会対策(毎月2000万)、歴代総理への付け届け(毎年200万)、議員の外遊の餞別(50万から100万)、そして、テレビ・新聞に露出の多い御用評論家・マスメディアの人間たちに、内閣官房機密費から相当額の支出をしていた。大物評論家たちには毎年1000万円も贈っていたという。
 収支報告が一切不要であることをよいことに、国民の税金を政権維持のためマスコミ買収に使った自民党政府については「またか」と思うだけだが、テレビや新聞紙面で「政治とカネ」問題を糾弾しながら、裏で国民の税金を食い物にしている正義の味方の顔をした評論家や新聞やテレビ局の厚顔無恥にあきれはててしまう。しかも、ごく一部を例外として大新聞もテレビ局も本件について沈黙している。
 大新聞やテレビ局は「政治家とカネ」の問題を騒ぐ前に、自らの「報道とカネ」という問題について得意の「説明責任」を果たすべきだ。この問題について、6月10日のTBSラジオで、岩村安身氏が取り上げた。その主要部分が文章に起こされている。注目すべき記事なので、読者に紹介しておきたい。一読をお奨めする。

http://www.asyura2.com/10/senkyo88/msg/321.html

野中広務の証言
http://www.youtube.com/watch?v=W9xuPq_Gw3Y