苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

原発の実情を知りたい方は

 原発の実情を知りたい方は、リンク集に入っている「小出裕章(京大助教)非公式まとめ」を開いて、順々に聞いたり読んだりされることをお勧めします。数年前から私は浜岡原発東海地震のことに関心を持ち始め、いろいろ調べているときに、「小出裕章」という名前をあちこちで見つけました。「原発は百パーセント安全だ」という原子力村の学者たちからは、蛇蝎の如く忌み嫌われ「似非(エセ)学者」呼ばわりされていました。
 小出裕章とはどんな人なのだろうと思っていましたが、3月11日以降、「原発は危険です」と訴え続けてきたただの助教(以前で言う助手)が真実を告げる学者であり、テレビに出てきて「原発は安全です」とのたまう錚々たる大学の権威ある教授たちが、電力会社からさまざまな利益を得ている似非学者であることが判明してしまいました。おそろしいことです。

 この出来事を見て、聖書を読んでいる人の多くはきっと、預言者エレミヤを思い出したことでしょう。エレミヤの時代、南ユダ王国は神に背き、偶像礼拝がはびこり社会には不正が蔓延しており、神はこれをさばこうとしておられました。しかし、職業的預言者たちは「平安だ。平安だ。」大丈夫、大丈夫と告げていました。一方、エレミヤはユダ王国の民に、悔改めを求めたのでした。残念ながら民は率直すぎるエレミヤのことばよりも、職業的預言者たちのオブラートで包んだ甘い言葉を支持し、南ユダはエレミヤの預言のとおりに滅びてゆくのです。事実にきちんと向き合う誠実さと勇気と素直さがたいせつだと教えられます。

 今、東電と政府は「3つの原発が『冷温停止』した」と言っていますが、ウソです。冷温停止とは原子炉が健全な状態に保たれていて、100度以下になることを意味しますが、周知のごとく原子炉はメルトダウンし、あるいは、メルトスルーしてしまっています。100度以下になったのは、炉の中から燃料が外に出てしまっているからそりゃあたりまえであるが、こういう状態を「冷温停止」とは言わないと小出氏は説明しています。
 こういう事態に陥ってしまった以上、すでに燃料が抜け落ちてしまった炉の温度が100度以下になったかどうかなどということはどうでもよくて、肝心なことは下に落ちてしまっておそらくはさらにコンクリートの床を溶かしつつ地下にもぐりこみつつある核燃料が、地下水を汚染し、海洋を汚染しないように可及的速やかに地下ダムを造ることであると小出氏は、もう何ヶ月も主張し続けています。
 とにかく、実情を知りたい方は、テレビの発表と小出氏の指摘の両方を聞き比べられるように、お勧めします。<追記>これは、美しい映像です。短いですが、胸打たれました。ぜひごらんになってください。
http://iwaiff.com/201110/jp/friends/friends_after_311_movie_koide.html