苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

湯川秀樹『旅人』

  18歳の真夏、友人三木君と一緒に京都の知り合いの下宿屋に二週間泊めてもらって、予備校の夏期集中講座に通ったことがありました。三木君は読書家で社会意識も高い人でした。その時、彼が紹介してくれたのが、この本でした。湯川秀樹の生い立ちから物理学者としての発見に至るまでの半生を旅人に譬えた味わい深い自伝です。その端正な文体が心地よく、その舞台が京都なので、なおさら味がありました。
 湯川の弟に小川環樹という漢学者がいるのですが、湯川自身、昔の教育を受けた人で、漢学的素養というものが理論物理学における発見に寄与するものがあったとか、京都の町の雰囲気もそうだったのだとか、そういうのが興味深かった。
 今も角川文庫で手に入ります。
 

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