苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

津波対策には内陸堤防建設を

朝日新聞デジタル記事 竹野内崇宏2017年12月19日11時22分

北海道沖で超巨大地震「切迫している可能性」 地震本部
千島海溝沿いの巨大地震震源


 北海道沖の千島海溝沿いで、今後30年以内にマグニチュード(M)8・8以上の「超巨大地震」が発生する確率は最大40%とする見解を、政府の地震調査研究推進本部が19日、発表した。東日本大震災に匹敵する規模の地震が「切迫している可能性が高い」として対策を呼びかけている。

 地震本部が千島海溝沿いの地震について予測を見直すのは13年ぶり。最新の研究を踏まえ、東日本大震災(M9・0)級の地震の確率について今回初めて検討した。

 その結果、十勝沖から択捉島沖までを震源域とするM8・8程度以上の地震が起きる確率は7〜40%だった。同規模の地震は平均340〜380年ごとに発生し、直近では約400年前に起きたと考えられるという。地震本部は「平均的な間隔の『満期』を超えており、発生が切迫している可能性が高い」としている。

 この地震について中央防災会議は2006年時点で、最悪の場合、津波によって北海道で約700人、本州で200人が死亡する被害想定を出しているが、来年にも内閣府が新たな想定を公表する予定。

 個別の震源域でも巨大な地震が想定され、根室沖でM7・8〜8・5が70%程度と高く、十勝沖でM8・0〜8・6が7%としている。

 地震本部の平田直・地震調査委員長(東京大教授)は「超巨大地震は強い揺れに見舞われる面積や、津波に襲われる沿岸が広い。東北で起きたような超巨大地震が北海道でも起こる可能性があると考えて備えを見直してほしい」と話している。(竹野内崇宏)

 地震本部参照 http://www.jishin.go.jp/regional_seismicity/rs_hokkaido/


 海溝型の巨大地震が起きた場合、北海道太平洋沿岸の町々は津波に襲われる。釧路市根室市は直撃だろうが、苫小牧市白老町登別市も被害が考えられる。苫小牧市はきわめて平坦な地形なので、津波が来た場合、逃げ場所がない。
 対策としては、第一は避難場所の確保であり、第二は津波の侵入を防ぐ堤防が思い浮かぶ。苫小牧市は、津波ハザードマップを公表していて地域ごとに津波が来ても流されない、学校校舎などの鉄筋コンクリートの建物を指定している。
http://www.city.tomakomai.hokkaido.jp/kurashi/bosai/jishin/bosaijoho/hinan/tunamihinankeikaku.html

 第二に、津波の町への侵入を防ぐ防潮堤の建設については、東北の巨大地震における教訓を学ぶべきである。田老町は高さ10メートルの防潮堤に囲まれていたが、襲った津波は20メートルを越え、津波の引いた後、防潮堤は海側に倒れていた。なぜか。津波が防潮堤の高さを越えて防潮堤をも呑み込んでしまうと、浮力が働き、引波によって倒されてしまったということである。結局、海に面した防潮堤では超巨大な津波は防ぎようがないということが立証された。地震の後、各地域で防潮堤が再建されているが、諸般の事情から、実際に今回襲来した津波の高さよりも低い防潮堤を建設している。同規模の津波が来た場合には、同じ結果になることはたしかである。
 東北地方の津波に対して効果があったのは、内陸部に存在した高速道路などの堤であった。巨大津波が海にある場合、そのエネルギーは巨大すぎて防潮堤は役に立たない。しかし、津波が陸に上がると急速にエネルギーが衰えるので、高速道路の堤にその前進が阻まれたのである。
 したがって、予測されている北海道沖津波の市内への侵入を防ぐ対策としては、海に面した巨大な堤防(一線堤防)を建設することではなく、一線堤防はほどほどにして、海岸線から数百メートル離れたところに内陸堤防(二線堤防)を建設すべきである。

こちらを参照
  http://openblog.seesaa.net/article/435848930.html