苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

教える力ある忠実な人に

多くの証人の前で私から聞いたことを、他の人にも教える力のある忠実な人たちにゆだねなさい。(2テモテ2:2)

 当時、「エペソ教会」といっても、この町に大きな礼拝専用の会堂があったわけではない。帝国の迫害の時代、キリスト教会は、礼拝専用の会堂を保有することができなかった。エペソ教会の実態は、エペソの町の中のあちこちに「家の集会」があり、それらの「家の集会」の世話人の長老・執事たちがいて、その全体を束ねて世話するスーパーバイザーがテモテ牧師だったという状態だったと考えられる。「ピリピ教会」「テサロニケ教会」「ガラテヤ教会」もそれぞれ同じようなようすだったらしい。
 テモテ牧師はそういうエペソの町のいくつもの家庭集会(家の教会)を、教える長老と言う立場で、忙しく巡回していたのであろう。ストレスでくたびれていたようすが、二つのテモテあての手紙からうかがえる。
 パウロは、他の人にも教える力のある忠実な人に、みことばの務めを分かちなさいとテモテに勧める。主イエスも十二人の弟子を選んで、彼らに働きを分けて、宣教の拡大を図った。どういう人に、その働きを分かつかについては、二点バランスよく条件が挙げられている。「他の人に教える力がある」ことと、「忠実である」ということである。