苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

昨日名古屋で、また、帰りの新幹線で

 昨日、海の日、名古屋で憲法に関するお話を二つしてきました。ひとつは、申命記17章から「憲法・平和・王」という話。もう1つは「日本国憲法制定プロセス」という歴史のお話です。
 一つ目の話は、以前、主がモーセを通して約束の地に入ろうとする民に語られた、王(権力者)を立てる場合の注意点から、①権力者は軍備増強・覇権拡大・安保のために民を売る誘惑にさらされることについて、および②権力者は律法の下にへりくだって政治を行うべきことについて。
 二つ目の話は、日本国憲法は次の4要素が合致したところで成立した件について。
①米国の親日専門家たちが開戦間もなくから用意周到に準備した戦後占領政策のプラン(内閣強化と軍部の抑制・議会の強化・天皇制の存続と改正・報道の自由基本的人権の尊重・封建的遺制の排除)
②日本側の明治の自由民権運動植木枝盛の思想が研究者鈴木安蔵に受け継がれた成果(国民主権基本的人権尊重・平和主義・儀礼天皇制)が、ハーバート・ノーマンとラウエルを通じて民政局の執筆者たちに及んだ事実。
③かつてパリ不戦条約作成にかかわった幣原喜重郎天皇制を守るための「戦争・戦力放棄の提案」が、マッカーサーの思惑と一致したこと。
GHQ草案は、帝国議会に提出され、衆議院貴族院で実質のある審議がなされ、修正も加えられ、正規の手続きを経て、完成したこと。

 到着した日曜の夜、宿のそばの裏通りで、たまたま手羽先唐揚の元祖風来坊を見つけて食べました。揚げ方がうまく、味も独特で、とっても美味しかったです。
 そうそう、昨日、講演後の帰りの新幹線、上野から同席した93歳のおじいさんとお話をしました。炎天下、金沢から親戚の法事に見えた帰りなのだそうです。四方山話のなかで、戦時下の話になり、ご自身が新兵だったとき、南京攻略を経験した古参兵が、写真を見せながら、自分たちがした残酷きわまりない仕業を自慢げに話したとおっしゃっていました。
 あと、戦後、マッカーサーが入ってきて、各家に配給されたピーナツバターがえもいえず美味しかったこと。マッカーサーが完全だとは言わないけれど、日本軍が南京で行なったこと、ソ連軍が行なった非道な行為にくらべれば、どれほどましだったか知れないとも。また、北陸では軍需工場のある福井と富山が爆撃されて灰燼に帰したが、金沢には軍需工場がなくて爆撃がなかったことについても話していらした。