苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

「積極的」とか「自由」とか「緩和」とか

 安倍首相の経済政策は、竹中平蔵が担当しているが、彼は新自由主義経済の信奉者・唱道者である。その実態は、無法市場経済である。結果、日本全国の地方都市はシャッター商店街になってしまい、労働者は非正規雇用労働者があふれる事態となってしまった。「自由」という美しい言葉にごまかされてはいけない。彼らのいう「自由」は、「無法」と同義語なのであり、唯一の法は弱肉強食の法則である。
 それと並んで小泉、竹中時代以降用いられているのが「規制緩和」という用語。「規制」には息苦しいイメージが付きまとう。それを緩めようというのだから、よいことをしているんじゃないかと多くの人は思う。しかし、実際は、「規制緩和」とはつまり「無法化」なのである。


 安倍首相の外交軍事政策は、積極的平和主義だという。「受動的」「消極的」より「積極的」がいいに決まっていると早合点してはいけない。積極的平和主義の作る「平和」とは、武器でもって相手を脅迫したり、殺したりすることによって作る「平和」のことなのである。
 こちらに安倍さんのおともだち(NHK経営委員)の長谷川千代子氏がジャーナリスト田中隆作氏のインタビューでこんなことを言っている。

 田中:積極的平和主義の下で、アメリ海兵隊多国籍軍アフガニスタンなどに出かけているが、彼らは平和を実現できていない。紛争地帯では、戦闘地域と非戦闘地域の区分はない。兵站線上の自衛隊と戦闘地域とは境目がない。もし戦闘で自衛隊が死んだら、また自衛隊が市民を殺害したら、この活動に責任がとれるのか?

 長谷川:「これこそが私が指摘した積極的平和主義の問題点だと思う。積極的平和主義は常に戦争に近いところを行く。時々戦争そのものになるだろう。実際、食料かなにかを運ぶのでも殺されるだろう。戦地と非戦闘地域との境目はない。積極的平和主義とは戦地に行くことだと考えなければいけない。これが私の考える戦争と平和の重大な矛盾だ」。
http://tanakaryusaku.jp/2014/04/0009133?fb_action_ids=714485788572505&fb_action_types=og.recommends 

 長谷川氏は「重大な矛盾だ」といいながら、憲法戦争放棄平和主義は受動的平和主義だと小ばかにして、なお積極的平和主義に組している。長谷川氏の態度こそ重大な矛盾だ。