苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

義理がすたれば この世は闇だ〜♪

31:8あくる日、ペリシテびとは殺された者から、はぎ取るためにきたが、サウルとその三人の子たちがギルボア山にたおれているのを見つけた。 31:9彼らはサウルの首を切り、そのよろいをはぎ取り、ペリシテびとの全地に人をつかわして、この良い知らせを、その偶像と民とに伝えさせた。 31:10また彼らは、そのよろいをアシタロテの神殿に置き、彼のからだをベテシャンの城壁にくぎづけにした。 31:11ヤベシ・ギレアデの住民たちは、ペリシテびとがサウルにした事を聞いて、 31:12勇士たちはみな立ち、夜もすがら行って、サウルのからだと、その子たちのからだをベテシャンの城壁から取りおろし、ヤベシにきて、これをそこで焼き、 31:13その骨を取って、ヤベシのぎょりゅうの木の下に葬り、七日の間、断食した。
                サムエル記上31:8-13


 妙に信心深いサウル王であったが、彼は肝心なみことばにたびたび背いたので、ついに主に捨てられてしまった。サウル王は、ダビデに対する猜疑心のとりことなって悲惨な後半生を歩み、ペリシテ人との戦でも女の霊媒に尋ねるという罪を犯してしまう。戦場で、敵の矢を受けたサウルは自ら剣の上に伏して死んだ。戦勝を喜んだ敵はサウルの遺体を辱めるためにベテシャンの城壁に釘付けにした。
 だが、このときヤベシュ・ギルアデの住民たちが、サウルの亡骸を引き取り、葬りの儀式をして喪に服した。なぜか。サウルが王に着任してまもないころ、イスラエルの民を糾合してヤベシュの住民たちをアンモン人から守ってやったからだった。その恩義をヤベシュの人々は決して忘れなかった。
 サウルの生涯は悲劇的である。けれども、彼は必ずしも悪いことばかりしたわけではなかったのだと、本書は言っておきたかったのだろう。またヤベシュ・ギルアデの住民の義についても触れておくべきだ、と。

♪義理と人情 秤にかけりゃ
 義理が重たい 男の世界
 義理がすたれば この世は闇だ・・・♪


 こんな歌があったなあ。村田英男。