苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

基本的人権も主権在民も否定する自民党議員

自民党の議員が、こんな発言を公然としています。

「@taiyonokokoro50国民が権利は天から付与される、義務は果たさなくていいと思ってしまうような天賦人権論をとるのは止めよう、というのが私たちの基本的考え方です。国があなたに何をしてくれるか、ではなくて国を維持するには自分に何ができるか、を皆が考えるような前文にしました!」(片山さつき 2012年12月7日)
・・・天賦人権論(基本的人権)に疑義・否定


「そもそも国民に主権があることがおかしい」、「今の憲法憲法の資格さえない、主権は国民にはない日本が長年培った伝統と歴史に主権がある」(参議院議員自民党西田昌司 「朝まで生テレビ」)
・・・・主権在民の否定


 日本国憲法の三大原理は、誰でも知っている<基本的人権の尊重、主権在民、平和主義(戦争放棄)>である。憲法の三大原理をことごとく覆そうというのだから、彼らがしようとしていることは、憲法改正の範囲をはるかに逸脱した国家転覆にあたるのではないだろうか。議席こそ60%だが、党に対する支持は国民わずか27%(比例)にすぎない。調子に乗られては困る。(発言は選挙前だが)

第九十九条  天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。

追記
 西田氏の発言の背景には西部邁、そして英国の保守思想の父エドマンド・バークがある。バークはフランス革命における合理主義で伝統的価値を全否定した人民主権説を非難し、民族・国家の価値はその伝統によって培われたものであり、軽々にデカルト的な浅薄な理性で否定すべきものではないとした。 他方、英国に起こった名誉革命をバークは擁護する。それは、英国にはマグナカルタ以来、国王の権限を家臣・臣民が制限するという数百年の伝統があり、この伝統を国王が破ったがために、起ったのが名誉革命だからだという。
 西田氏が、「主権は国民にはない日本が長年培った伝統と歴史に主権がある」とはその意味。だが、西田氏が「日本が長年培った伝統と歴史」とは何を意味しているのはなにか?憲法改正案に表現されているところを見れば、それは第一条の天皇元首化、第三条の日の丸・君が代尊重義務ということである。



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