昨日、東京に向かう新幹線の中で、佐野眞『津波と原発』を読んだ。霞ヶ関の記者クラブで大本営発表された情報を垂れ流す新聞や放送局とちがって、現地に足を運んで、現地のなまの声を聞き取って書くという手法によって生み出されるノンフィクションの質実さということを感じるのだが、あまりにそのことを誇りすぎるのが、ちょいと鼻につく。まあやむを得ないが。
そういう取材の中で聞き取った地震の予兆かと思われることが気になる。陸前高田市の半島部にある広田地区の漁業組合長が言ったということなのだが、二月頃、急にマイワシが獲れるようになって、その一日の水揚げがなんと百トンだったという。それが一週間も続いたとのこと。このような現象は、過去の三陸沖大津波でもあったことが吉村昭氏の本にあった。おそらく海底になんらかの異変があった結果なのであろう。ほかにも井戸の水が濁ったなどという報告がある。
気になる、というのは、今年6月3日、つまり一ヶ月ほど前、房総半島いすみ市に大量のマイワシが打ち上げられたことである。
もっとも去年の6月頃も広い範囲で類似の現象が報告されている。岩手沖から茨城沖までの海底が動いたというのだから、そのような現象が起こるのはあたりまえといえばあたりまえであろう。ともかく、千葉房総方面の方たち、いや関東圏全域の方たちにはできる備えをしていてほしいと思う。
☆こちらも参照されたい。
http://d.hatena.ne.jp/koumichristchurch/20110612/p1
<同日追記>
本日、午後0時48分、長野県北部で震度5弱の地震があった。去年、311の直後にもあった場所。柏崎刈羽原発に近い。これが破綻すれば、太平洋に大半の放射能雲が流れた福島の場合とちがって、関東甲信越のみならず、東北地方の全体が汚染されてしまう。