苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

「原発のネック」+「エネルギー問題は存在しない件」+「CO2地球温暖化説のウソ」


  オキナグサ


 今まで書いてきたことのマトメです。原発ムラの利権以外には、原発を続ける理由がないことについてです。




推進派も認める原発のネック・・・使用済み核燃料

原発を今後続けるかどうかという議論で、推進派ですら原発のネックとして認めざるを得ないのが、使用済み核燃料の問題である。斑目委員長が「福島第一原発事故は人災である」と明言した意図は、推進派は人災さえ起こさなければ原発利用はできるという主張である。推進派はこのように「原発安全神話」をなお維持しているが、その推進派であっても、使用済み核燃料問題だけは解決不能の問題であることを認めざるをえない。
原発以外の発電方法においても、それぞれ人命と環境への負荷がある。水力発電はダム決壊の危険性があり、ダム建設による環境破壊がある。石炭採掘には労働者の健康被害シェールガス採掘には地震誘発の問題が伴う。火力発電所には火災の危険があり、ガス漏れが起こったばあい風下の人々の窒息死の危険がある。莫大なエネルギーを集中させる発電方法には、どのような場合でも、危険がともなう。だが、水力と火力の危険や環境への負荷と比べて、原発に特徴的なことは、使用済み核燃料問題は人間の管理能力をはるかに超えた長い将来に及ぶことである。
全国の原発を稼動すると毎年千三百トンの使用済み核燃料が生じる。これは高レベル放射性廃棄物で近寄れば死ぬという非常な危険物である。現在、日本には使用済み核燃料が累計二万八千トン以上もあって、青森六ヶ所村はいっぱいなので、仕方なく各地の原子炉建屋の使用済み燃料プールの中に保管され、三年から五年冷やす。電源が切れて冷やせなくなると発熱し放射能が噴き出す。その後、再処理してガラス固化体にして、さらに三十年から五十年冷やさねばならない。
だが五十年たっても、放射能ゴミは無害化しない。ウランを原発核分裂させると、もとのウランの10億倍も放射能を発するようになるが、それがもとのウラン程度にもどるには、百万年もかかる。この危険物の最終処分地をどこにするか、答えがない。海に捨てれば魚介類を汚染し、地下に埋めても何万年も経てば地形も変わり地下水が汚染される。それ以前に廃棄物処理会社がわずか三十年存続するかどうかすら保障できないし、責任をもつと言う政府も戦後まだ六十六年しか経っていない。
 要するに、有限な人間は、原発が絶えず排出する核のゴミを管理するすべを持っていない。原発を存続させれば、毎年増える核のゴミで、早晩この狭い日本列島のどこにも安心して住める場所はなくなってしまう。絶えず変動する歴史をみれば、五十年管理することすら危うい。まして百万年は馬鹿げた話である。目先の便利のために、子々孫々へのつけをこれ以上大きくすることがよいか悪いか? かりに原発にほかにどんなメリットがあったとしても、使用済み核燃料という決定的な欠陥がある以上、答えはおのずから明らかだ。
 しかも、次に見るとおり「エネルギー危機」も、原発の将来性も、火力の出すCO2が地球を温暖化している事実もない。原発を推進すべき理由は原子力ムラの利権以外には存在しない。


エネルギー危機は存在せず、原発に将来性はない
 太陽光や風力による発電は、家庭用にはよいが、供給が不安定なので産業用には適していない。安定的発電はどうすればよいか。カロリー換算した地下資源の量を左に掲げる。数字は1×10の16乗 k c a l のエネルギーに換算したもの。
      究極埋蔵量   確認埋蔵量       
高品位石炭・・6000    500
低品位石炭・・1700    260
石油・・・・・・294    150
天然ガス・・・・200    120
シェールガス・・810
ウラン・・・・・110     20
 (出典「原子力と共存できるか」:小出裕章/足立明著、かもがわ出版1985年。)
 これを見れば歴然としているが、ウランは石油の数分の一しかなく、「夢の高速増殖炉」は夢のまま終わったので、中長期的に原子力発電に将来性はない。
石油にかんしていえば、数十年前から、石油は20年で枯渇するという宣伝はされ続けているがなくならない。現在は、30年たったら枯渇するということに一応なっている。
ところで、二千年代になって従来、採掘方法がなかった非在来型の天然ガスであるシェールガスの採掘方法が見つかり、現在「シェールガス革命」と呼ばれている。シェールガスは莫大で、石油の数倍の埋蔵がある。値段は低価格安定。詳細はこちら。http://matome.naver.jp/odai/2130509524403652501
というわけで、世界のエネルギー事情としては、二十一世紀は新タイプの天然ガスによる発電が主流である。しかも天然ガス火力発電は空気の汚れもとても少ない。また石炭ガス化火力発電もすでに日本で実用されている。石炭の埋蔵量は上に見るとおり莫大である。
関西電力が一年間、火力再稼動の準備を怠り、他からの融通努力もしてこなかったせいで、(関電がいうのが本当ならば)この夏は困った実情のようである。
しかし、中長期的には、エネルギー危機は本当は存在しないから、私たちが原発の存続の可否を考えるにあたっては、当面エネルギー枯渇を考慮する必要はない。

追記2012年5月18日>
 メタンハイドレートがきわめて有望である。一般に、南海トラフで調査されてきたメタンハイドレートは、泥と砂に混じっていて、採掘も燃料として使えるかたちにするのにもコストがかかりすぎるとされてきた。
 しかし、日本海側(新潟沖)の調査では、メタンハンドレートは海底もしくは海底から100メートル以内掘削したところにこぶし大の結晶としてたくさん存在していることが分かっている。したがって、採掘は容易でありコストもきわめて安価である。
http://d.hatena.ne.jp/koumichristchurch/20120525/p1



火力発電が発するCO2による地球温暖化の心配は要らない
 「地球温暖化の原因はCO2である。原発は発電中CO2を出さない。」とIPCC、政府、NHKも民放も教科書も、総力挙げて宣伝してきた。しかし、専門家たちの9割は地球温暖化CO2犯人説はウソだと知っているが、業界の秘密だそうである(丸山茂樹)。
 そもそも、「CO2増加によって大気があたためられ、その結果、地球が温暖化している。」という事態は物理的にありえない。 風呂を沸かすために、風呂場にストーブを持ち込んで風呂場の空気をがんがんあたためる人がいるだろうか。そんな人はいない。そんなことをしてもお湯は沸かないからだ。同様に、大気中にCO2がふえて大気が暖まったとて、海水が温まり、地球が温暖化することは物理的にありえない。
 事実は逆で、私たちは風呂のお湯を温めれば風呂場があたたまることは知っているから、年寄りを風呂に入れるときには、風呂のふたをあけて風呂場をあたためてから、「さあ、おかあさん。おふろの準備ができましたよ。」というのである。同様に、海水が温まれば、大気は温暖化する。
 なぜかといえば、水の熱容量は空気の熱容量の3500倍もあるからである。熱容量とは物体の温度を1℃高めるのに必要な熱量のことである。水を1℃上げるには、空気を1℃上げるのに必要なエネルギーの3500倍が必要なわけ。
 ところで、原発は熱効率がものすごく悪い発電方法で、発生する熱の3分の2は海に捨てているので、「海温め装置」と呼ばれる。100万キロワットの発電所の原子炉の中では300万キロワット分の熱が出ているが、そのうち200万キロワット分の熱は海に捨てられている。100万キロワットの原発だと毎秒70トンの海水を7度上げる。そして、海水が温められれば大量の二酸化炭素が大気中に出てくる。だとすると、原発こそ地球温暖化を手伝い、CO2を増やしているのである。・・・というわけで、事実はIPCCとマスメディアの宣伝のまるでさかさまである。事実は、「海水温が上昇した結果、大気の気温が上昇し、海水中のCO2が気化して大気中のCO2濃度を上げている。また、海温め装置である原発も一因である。」
参照:武田邦彦氏の文章http://takedanet.com/2009/02/post_8c7c.html
http://takedanet.com/2008/08/post_710d.html
 以上のことを裏付けるデータがある。下のグラフをごらんいただきたい。ハワイのマウナロア観測所でのCO2の長期観測者として知られるC.D.Keelingグループの研究によるものである。たしかに、上のグラフを見れば、CO2と温暖化は関係あることがわかる。しかし、注意深く見るならば、温暖化の山のあとにCO2の山が来ている。つまり温暖化の結果、CO2が増加している。


地球温暖化に関する映像デマ

 地球温暖化で、南極の氷が融けて海面上昇が起こってツバル共和国が水没しつつあるというデマがある。本当の原因は「飛行場建設の際に掘り起こして出来たくぼみからの湧水、低い土地に人が住むようになったこと、生活排水による汚染で砂を形成する有孔虫が激減したこと、など」である(http://www.eorc.jaxa.jp/imgdata/topics/2010/tp100623.html)。
 現在南極の夏冬の変化はあっても年間トータルで氷量の変化はないし、もし温暖化すれば南極の氷は増える。たとえば南極のマイナス40℃の気温がマイナス35度になったとて、氷は融けない。かえって、南氷洋からの蒸発する水蒸気量が増えて、雲が出来て、雪となって南極大陸に降り積もって、南極の氷の量は増加する(武田邦彦)。
しばしば、テレビで見せられる南極の氷が融けて崩れ落ちている映像は、毎年、冬から夏へと季節が移るときに起こっていることであって、特別のことではないようである。http://d.hatena.ne.jp/koumichristchurch/20120423
 また、地球温暖化の結果シベリアの永久凍土が溶けて、建物が傾いたという映像も見せられたことがあるが、あれは単に建物の暖房をした結果なのだそうである。
 では、データ上の地球温暖化の真の原因はなにか?
 第一は気温観測地点が都市化によって温暖化しているだけのことである。たとえば東京の温度は東京都千代田区大手町の温度計で測っており、そこではここ数年温暖化しているが、小笠原諸島の温度は上がっていない。
 第二は、かりに地球全体が少々温暖化しているとしても、それは太陽の活動が周期にしたがって活発化しているからにすぎない。10世紀、11世紀ころは現代よりも気温の高かった時代もある。


<参照>
渡辺正(東大教授)『「地球温暖化神話」終わりの始まり』
伊藤公紀(横浜国大教授)、渡辺正(東大教授)『地球温暖化論のウソとワナ』
丸山茂樹東工大教授)『科学者の9割は地球温暖化CO2犯人説はウソだと知っている』
ビデオ『地球温暖化詐欺』http://d.hatena.ne.jp/koumichristchurch/20120426/p1