苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

CO2地球温暖化説の支持者からお電話



      (ヒマワリとマルハナバチ


 「通信小海」7月号に、幾人かの学者の説をあげて、CO2地球温暖化説がたいへん疑わしいことについて書いた。すると、五日ほど前、隣村のN氏という方からお電話をいただいた。もと国立天文台にいらした学者さんである。話ぶりはいたって紳士的で気さくな方だった。NさんはCO2地球温暖化説は神話ではなく、正しい説であると思うという認識から、少し長い時間説明してくださった。その趣旨を私が記憶するかぎり、ここにメモしておく。

1.観測点周辺のヒートアイランド現象のせいで地球温暖化が誇張されているのではないかということについては、世界中に7000の観測点があって指摘されるような誤差も勘案しているはずだというお話だった。
(筆者としては、そのときは資料がないので、そうですかというほかなかったが、少し調べると、地球環境センターのサイトがあった。http://www.cger.nies.go.jp/ja/library/qa/2/2-1/qa_2-1-j.html。だが世界中の観測点の問題性は、伊藤公紀氏が具体的に述べているところを見ると「正確に観測できている」と、抽象論でかんたんに説得されうるような実情ではないと思われる。『地球温暖化論のウソとワナ』第1章
 また、こちらに観測点が1990年以降、米国では観測点を組織的に削減して6000箇所から1500箇所にしたことと、意図的ではないにせよ平均気温が上がったことの関係についての興味深いレポートがある。「削減された観測所の所在地は、高緯度で高地、また海から離れた内陸であり、より非都市部の地域であった。観測所の低減は6000カ所から1500カ所へと劇的なものだった。」
http://finalvent.cocolog-nifty.com/fareastblog/2010/02/post-dab8.html

2.武田邦彦氏は<風呂の湯をわかすにあたって、風呂場を締め切ってストーブをいくら焚いても湯は沸かないのと同じように、CO2の温室効果で大気が少々温まったとて海水全体が温まることは物理的にありえない。水の熱容量は大気の3500倍だから。逆に海が温められるなら、大気は温められ、かつ海からCO2が出てくる。>という。N氏は、地球と風呂場ではケースが違うと指摘する。地球は太陽エネルギーが注がれているし、また地表からエネルギーも放出されている開放系であって、風呂場のような閉じた系ではない。いわば地球は風呂場の窓にカーテンがかかっている状態であるというたとえである。このカーテンにあたるのが温室効果ガスで、温室効果がなければ大気温は平均マイナス20℃になるところが、プラス14℃となっている。
(筆者としては、地球が開放系であるのはよくわかるけれど、その事実が、なぜ地球温暖化がCO2の温室効果を主原因とするという説を支持するのかがまったくわからない。かりにN氏がおっしゃるように、風呂場の窓を開けてそこにカーテンをかけた状態(開放系)であれば、なおのこと空気をストーブでがんがん暖めたとて風呂の湯が沸かないように、温室効果ガスで少々大気の温度が上昇したとて、海水が温まるわけがない。
 また温室効果ガスということでいえば、大気中のCO2濃度は0.04パーセントで、むしろ水蒸気の温室効果が圧倒的である。
 地球の温度の上がり下がりは、基本的に太陽の活動と関係しているのであって、CO2濃度の変化によるのではないというのが、CO2原因説を疑う学者たちの主張である。丸山茂徳氏によれば<太陽の活動が活発化(黒点が多い)→宇宙線を吹き飛ばす→宇宙線による雲の種減少→雲の減少→地球温暖化>ということ。)

3.キーリングの研究でいうように、ハワイのマウナロア天文台のグラフはたしかに大気の温度の上下がCO2の濃度の上下の原因となっているように見えるが、それは統計の取り方によるのである。
(筆者:統計の取り方というのが具体的にどういうことかわからないので、同意も反論もできない。両者のいずれが原因であり結果であるかが微妙な議論の対象であることはわかった。)

4.温暖化すれば南極の氷が増えるだろうことはありえよう。だが北極についていえば、氷が減少しているのは事実である。これは南半球は海(水)が多く、北半球は陸が多いことによる違いだと思われる。水のほうが陸地よりも比熱が大きいから。
(筆者:N氏がおっしゃるように、実際、「グリーンランドほぼ全域で氷床融解が起っているという報道がごく最近あった。http://sankei.jp.msn.com/wired/news/120727/wir12072710500000-n1.htm
 また近年、北極海航路が開通する可能性が調査されているという報道がされていることは事実である。その原因がCO2による大気温上昇であるかどうかはわからないが。)

5.N氏は、ツバル共和国の沈下の原因が地球温暖化による水位上昇ではなく、飛行場建設、生活排水による有孔虫の減少であるということは初耳だとおっしゃった。また温暖化による水の熱膨張にも触れられた。
(筆者:こちら参照→http://www.eorc.jaxa.jp/imgdata/topics/2010/tp100623.html )



☆N氏には申し訳ないが、N氏からの反論だけでは、CO2地球温暖化説が真実であるということは、今のところ筆者は十分納得できなかった。CO2地球温暖化説に疑問を呈している学者たちにも、温暖化自体については、地球は太陽活動の周期としてはむしろ寒冷化に向かっているという主張者もいれば、地球は少々は温暖化しているという主張者もいる。筆者自身は、北極海航路の報道がほんとうだとすれば、地球が温暖化しつつあるのだろうかとは思う。ただ、過去1000年間、グリーンランドの氷床がどういう変化を遂げたのかを知りたいと思う。
 CO2地球温暖化懐疑論にほぼ共通しているのは、IPCCの報告には誇張があることと、温暖化ににCO2の温室効果が関与しているとしてもそれは微々たるものであり、主因はCO2ではなく太陽の活動の変化であるということ。
 「地球温暖化に対する懐疑論」については、Wikipediaの同名の項目に、いろいろ書いてある。ただし、IPCC支持の立場からの記述である。
 いずれにせよ、N氏には直接お目にかかってお話してみたいと思っている。

追記>☆明日香寿川氏の『地球温暖化懐疑論批判』は、懐疑論に対して網羅的に批判をしていると教えていただいた。pdfでダウンロードできる。
http://www.ir3s.u-tokyo.ac.jp/pages/236/all.pdf
私もこれから勉強する予定。

追記2014年11月>
 2013年ー2014年、北極の氷は増えていることが判明した。
http://blog.livedoor.jp/noel23/archives/1008543903.html