苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

大飯原発再稼動へ?


   (新聞赤旗よりhttp://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2012-03-24/2012032401_01_1.html


 福島県若狭湾に面した大飯原発を再稼働に向けて、経済産業省原子力安全保安院内閣府原子力安全委員会がストレステスト1次評価OKと言っている。そういいながら、斑目氏は苦しげに、責任は自分にはない、政府にあるといって逃げを打っている。だが、この種の、非常に多くの人の生命にかかわることは政治判断にはなじまない。
 ストレステストの詳細はあきらかにされていないが、実際にストレスをかけてテストするわけではなく、単なるシミュレーションにすぎない。しかも、そのテスト項目は地震がない欧米で立てられたものである。そんなもので、なぜ地震列島日本の、その中でも格別、活断層の巣である若狭湾原発が安全だといえるのかは、普通の頭には理解不能である。
 福島第一原発事故がきわめて悲惨なことはいうまでもないが、その位置と季節風の関係から放出された放射能の8〜9割は風向きによって太平洋上に拡散したことは不幸中の幸いだった。それでも、残り1〜2割の放射能だけで、今のようなありさまである。
 一方、若狭湾のある福井県からは、常時関西の水がめである琵琶湖のある滋賀県京都府岐阜県、愛知県に向けて風が吹いている。若狭湾には14基の原発があるが、これが破綻したばあい、そこから放出される放射能は100パーセントが陸地に降り注ぐ。その悲惨は、福島の比ではない。
 電力が原発によらねば作り出せないというなら、これほど再稼動を急ぐ理由はまだわからなくはない。けれども、現状、関西電力では原発は1つも稼動していないのである。冬場は電力足りないぞと脅かしていたが、火力で間に合ったのだ。多くの火力発電所は旧式になっており、新たな火力発電所を造るには2年かかるというインチキ報道がされているのを聞いたが、天然ガスをもちいるコンバインド・ガス・サイクル発電であれば、旧式発電所に設置するのに2〜3ヶ月あればまにあう。実際、昨年の夏前、神奈川県でそういう入れ替え作業をさっさとしていた。石炭火力もすでに実用化されている最新型の石炭ガス化複合発電機ならば、高効率で環境負荷も少なく、コストもうんと低い。
 発電のための設備容量は、原発なしでもありあまっているのに、なんでこんなに必死になって原発再稼動をしようというのか。原子力行政・経営に関わる人々の理性は、利権確保に必死なために麻痺しているのではなかろうか。
 現在、稼動中の原発はただ一基、北海道の泊原発のみ。

「あなたの宝のある所には、心もあるからである。目はからだのあかりである。だから、あなたの目が澄んでおれば、全身も明るいだろう。しかし、あなたの目が悪ければ、全身も暗いだろう。だから、もしあなたの内なる光が暗ければ、その暗さは、どんなであろう。だれも、ふたりの主人に兼ね仕えることはできない。一方を憎んで他方を愛し、あるいは、一方に親しんで他方をうとんじるからである。あなたがたは、神と富とに兼ね仕えることはできない。」マタイ6:21−24


若狭湾活断層の巣。ここに14基原発が立ち並ぶ原発銀座がある。正気の沙汰とは思えない。
(図はさよなら原発神戸ネットワークより)