自分のブログのカテゴリー「原発」の表題をざっと振り返って見ました。昨年4月28日の記事として「浜岡原発の壊れ方」というものを読み直して見て、自分でもちょっと驚いてしまいました。このところ全国の原発が定期点検のために停止して、あと柏崎と泊の二つになって来る中で、なんとなく大丈夫のような錯覚を起こしていたのです。そして大事なことを祈ることを忘れてしまっていたのです。
結論部分、浜岡原発の「有効な地震対策」にこう書いてあります。
こんな実情ですから、近々東海地震やってきますが、現状の浜岡原発がそれに耐えられる可能性はほぼゼロに等しいと言わざるを得ません。
私も協力している100万人署名では、「浜岡原発を停止して、東海地震を迎えよう」と言っていますが、いかがなものでしょうか。車でいえば、確かに時速100キロで走っている最中に事故を起こすより、アイドリング中に事故にあうほうがずっとましなことは確かですから、停止したほうがよいには決まっています。しかし、冷温停止していても、建屋が壊れ、配管が破れ、使用済み燃料プールの水は飛び出し、取水口から水が取り入れられず、配線が寸断されたら、原子炉は暴走し始めます。
浜岡原発の場合、ほんとうに有効な対策は「停止」ではなく、燃料棒と使用済み核燃料を地震の可能性の低いところへ移送して、東海地震を迎えること以外にありません。
どの原発もそうですが、格別、浜岡原発は停止していれば地震が来ても大丈夫かといえば、決してそうではありません。福島第一原発だってとりあえず制御棒は機能して「停止」できたのに(実はすでにボロイ配管が破断していたようですが)、その後、冷却不能に陥ってこの有様です。停止していなければ原子炉そのものが爆発して被害は現在とは比較にならないほどひどかったでしょうから、たしかに「停止」してよかったのです。しかし、たとえ「停止」していても冷却不能に陥ったので、崩壊熱でメルトダウン、メルトスルーしてしまいました。原発の「停止」は停止ではないのです。この用語にも原発につきもののゴマカシがあります。
浜岡原発は、今、制御棒は挿し込まれていて「停止」していますが、この状態で、東海大地震に襲われたらどうなるでしょう。浜岡原発は震央にありますから、直下から1メートル超のたて揺れに襲われて、4本も断層のあるもろい相良層の地盤が崩壊します。すると、配管、配線は破断し、福島第一でも恐らくそうだったように炉の再循環ポンプの接合部パイプも破断します。そうなると、メルトダウンそしてメルトスルーです。
今、私は改めて、浜岡原発を廃炉にすべきだと訴えます。東海地震までいったいどれほど時間が残されているでしょうか。