私は山に向かって目を上げる。私の助けは、どこから来るのだろうか。
私の助けは、天地を造られた主から来る。
詩篇121篇1節、2節
序
東日本大震災から一年を迎えた今日、3月11日。私たちは今、天地を造られた主を見上げ、このお方から来る助けを待ち望みながら、全国の同盟教団の諸教会とともに、心を合わせ、言葉を合わせて、祈ります。
祈り
天地万物の造り主にして、その世界をいつくしみの御手で支えておられる父なる神よ。
いま私たちは心をあわせてあなたに祈っています。どうか私たちのささげる祈りに耳を傾け、あなたの全能の御手を動かしてください。
昨年3月11日の地震によって、この国は一変してしまいました。大地震と津波によって町や村、家々が押し流され、たくさんの尊いいのちが奪われました。愛する家族やかけがえのない人々を失った人々の上に、家や仕事、大切な財産を失った人々の上に、将来の希望を失った人々の上に、あなたの深いあわれみを豊かにお与えください。
東北の地、特に岩手県、宮城県、福島県、また茨城県、千葉県、あるいは長野県の栄村など、今回の地震で大きな被害をうけた被災地の上に、あなたの力強い御手が臨み、人々に生きる希望を与え、その希望を現実とするためのすべての必要を満たしてください。
福島第一原発事故は、多くの人々のいのちと自然を脅かしています。この出来事にあらわれた私たちのおごり高ぶりの罪を今、御前に悔い改めます。どうか私たちの社会が、誤った道から立ち返り、原子力に頼る過ちを捨て去り、あなたの委ねてくださった世界を正しく管理することができますように。今なお続く放射能汚染を一刻も早く止め、この地とそこにある人々、特に幼い子どもたちの健康をどうかお守りください。
救い主なる御子イエス・キリストよ
あなたのからだである諸教会をどうぞ励ましてください。特に被災地にあって今日もあなたの愛に生きている東北、常磐の諸教会の上に、祝福を注いでください。隣り人となってあなたの愛を証ししている先生方、兄弟姉妹たちを祝福し、その労に大いに報いてください。
あなたの十字架の愛だけが、まことに人々を癒し、生かし、立たせるものであると私たちは信じています。どうか悲しむ人々、恐れる人々、疲れた人々、傷ついた人々、望みを失っている人々が、あなたの愛によって、悲しみが慰められ、恐れが平安へと変えられ、疲れた心に健やかさが与えられ、傷ついたところに癒しがもたらされ、まことの希望が与えられますように。
そのために、立てられている牧師たちをお強めください。力強く福音を語らせてください。説教のわざを祝福してください。牧会のわざを祝福してください。牧師の家庭を祝福してください。兄弟姉妹たちを祝福してください。その働きと、その家庭を、その健康と、その経済を祝福してください。教会が一致して、主の愛のうちに建て上げられるようにしてください。
慰め主なる聖霊よ
あなたはどのような苦しみの中にあっても、私たちを慰めてくださるお方です。私たちの言葉、私たちの振るまい、私たちの愛の限界を超えて、あなたが人々の中に働いて、主イエス・キリストの愛と恵みをあかしし、まことの慰めを与えてください。
あなたは一致をもたらしてくださるお方です。同盟教団の諸教会が心を一つに、引き続き被災地のために祈りの手を上げ続け、支援の働きを続けることができますように。共に働く諸教会、諸教団、さまざまな支援ネットワークの働きを祝福してください。その中で同盟教団が主のしもべとしてよく仕えることができるようにしてください。そのために必要な働き手を引き続き起こしてくださるようお願いします。
主よ。私たちをあわれんでください。あなたが信じるなら、あなたは神の栄光を見るとおっしゃった、あなたのお約束を信じます。どうか信仰の弱い私たちを励まし、あなたに望みを抱いて祈り続ける者とならせてください。今、私たちはあなたの弟子たちとして、あなたの教えてくださった祈りを、心をあわせて祈ります。
主の祈り。
天にましますわれらの父よ。
願わくは、御名をあがめさせたまえ。
御国をきたらせたまえ。
御心の天になるごとく、地にもなさせたまえ。
われらの日用の糧を今日もあたえたまえ。
われらに罪を犯すものを、われらが赦すごとく、われらの罪をも赦したまえ。
われらをこころみにあわせず、悪より救い出したまえ。
国と力と栄えとは、かぎりなくなんじのものなればなり。
アーメン。