苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

菅直人首相、浜岡停止の英断  大きな一歩前進

 菅直人首相が浜岡原発全機停止の要請を決断したことが、6日の夕方のラジオで緊急に放送された。二週間弱前からNHKラジオに出演する人々が、原子力発電の限界と次のエネルギーを唱える人々に代わったので、そろそろかなと家内と話していたところだった。
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国民の皆様に重要なお知らせがあります。
本日私は内閣総理大臣として、海江田経済産業大臣を通じて浜岡原子力発電所のすべての原子炉の運転停止を中部電力に対して要請を致しました。

その理由は何といっても、国民の皆様の安全と安心を考えてのことであります。同時に、この浜岡原発で重大な事故が発生した場合には、日本社会全体に及ぶ、甚大な影響もあわせて考慮した結果であります。

文部科学省地震調査研究推進本部の評価によれば、これから30年以内にマグニチュード8程度の想定東海地震が発生する可能性は87%ときわめて切迫しております。

こうした浜岡原子力発電所のおかれた特別な状況を考慮するならば、想定される東海地震に十分耐えられるよう、防潮堤の設置など、中長期の対策を、確実に実施することが必要です。

国民の安全と安心を守るためには、こうした中長期対策が完成するまでの間、現在定期検査中で停止中の3号機のみならず、運転中のものも含めて、すべての原子炉の運転を停止すべきと私は判断を致しました。

浜岡原発では、従来から、活断層の上に立地する危険性などが指摘をされてきましたが、先の震災とそれに伴う原子力事故に直面をして、私自身、浜岡原発の安全性について、様々な意見を聞いてまいりました。

その中で、海江田経済産業大臣とともに、熟慮を重ねた上で内閣総理大臣として、本日の決定を致した次第であります。浜岡原子力発電所が運転停止をしたときに中部電力管内の電力需給バランスが、大きな支障が生じないように、政府としても最大限の対策を講じて参ります。
電力不足のリスクはこの地域の住民の皆様をはじめとする全国民の皆様がより一層、省電力、省エネルギー、この工夫をしていただけることで、必ず乗り越えていけると私は確信を致しております。

国民の皆様のご理解とご協力を心からお願いを申し上げます。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜以上、引用〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 脱原発を明らかにした毎日は首相の決断を評価し、朝日は追随、読売はやむなしとしている。異常なのは産経新聞で、首相をコテンパンに批判している。ソフトバンクのyahooはなぜ、産経新聞をたくさん引用するのだろう。孫社長脱原発派なのに不思議だ。いつもは結構自由にものをいう中日新聞東京新聞)は、中電・トヨタがスポンサーであるせいか、評価を保留して「国民的議論を始めよう」と言っている。
 ちなみに、気になる夏場の電力需要は下記の通り。
 浜岡原発の3-5号機の3基で発電量は361.7万kW。
 中部電力の夏のピーク予想256O万kW。
 浜岡を含めた供給能力は2999万kW。浜岡を止めても2637.3万kW。
 というわけで、中電管内で節電すれば足りている。原発由来の深夜電力が安価(三分の一)では供給されなくなるかもしれないが、それは仕方ない。そうなれば、うちの教会も床暖房は深夜電力だから、対策しなければならない。リニア新幹線も中止だ。前から言っているように、電気の無駄遣いを助長し原発増設をねらうオール電化・電気自動車キャンペーンはやめてほしい。日本が滅びてしまう。
 首相は原発推進派だらけの環境の中で、よくぞ決断されたと思う。「命令」は法的根拠がないので、「要請」なのだそうである。

 しかし、二年間かけて津波対策の堤防を造ったら再開というのは、とんでもない。むしろ、さらに一歩踏み込んで、浜岡原発からは東海地震が来る前に、燃料棒と使用済み核燃料をすべて移送して空っぽにして備えをすべきである。原発の「停止」とは、日常語でいえばアイドリング状態を意味しているわけで、電気が止まったり、冷却水が循環できなくなったりすれば、現在の福島第一原発のようになってしまう。福島原発はアイドリング状態まで持っていくことができたところで、津波で全電源を喪失してああなってしまった。
 浜岡の場合は、津波が来る前に、その直下からの1m〜2mの猛烈な揺れによって、配線がずたずたになり、冷却水配管が破断してしまう。浜岡原発の敷地には活断層が下記のように通っており、3,4,5号機については活断層をまたがって原子炉建屋とタービン建屋が設置されている。猛烈な縦揺れによって地割れが生じたならば、建屋を結ぶ配線・配管が破断するのはあたりまえである。1854年安政東海地震では瞬時に2メートルの段差が生じている。また構造上炉の再循環ポンプの配管が構造上宙ぶらりんにせざるをえないのであるが、これが激しい揺れにもつのかというと、施行業者も設計技師も「持つわけない」と話しているのは以前に紹介したとおりである。重い構造物は横揺れには強くても、縦揺れには脆いものである。自重で壊れてしまう。
 また、浜岡は砂浜であり、津波によって冷却水の取り入れ口が埋没するのではないかという指摘もあるが、今進めている防水工事にはこの対策は含まれているという報道はない。

 「浜岡原発原子力安全保安院の指導にしたがって来たのだから、停めさせるのは不合理だ」という寝ぼけたことを言っている人がいるが、自民党安倍晋三政権下の原子力安全保安院にしたがったために福島第一原発が破綻したのである。自民党原子力安全保安院・電力会社・ゼネコンetc.が同じ利権に群がる仲間であるという構造が、こうした事態を引き起こしたのである。少しは反省してはどうなのか?なぜ東電社長にだけ土下座させていて良心が痛まないのか不思議でたまらない。放射能で国土を汚染している原発で「美しい日本」を目指した安倍さんはなぜ東電の社長といっしょに土下座行脚しないのだろう。「今はもうその立場でないし、導火線に火をつけた爆弾はもう菅さんに渡したから」とおっしゃるならば、その通りではあるが。http://d.hatena.ne.jp/koumichristchurch/20110426
 機構の改革をいうならば、原子力安全保安院は、ほんらい「金儲け」が目的の経済産業省から外して、「安全・安心」が目的の環境庁厚生労働省に移すべきなのである。原子力安全保安院は金銭的ワイロも天下りというワイロも絶対に入り込まないように、厳密にチェックされる必要がある。
 東海地震は、主イエスの再臨がその前に来ないかぎり、死と同じように必ずやって来る。日本という国の存続を望む人は、「浜岡原発は空っぽにして東海大地震を迎える」という第二歩を踏み出すように、さらに首相を励ますべきだろう。首相のため、祈るべきだろう。
「そこで、まず第一に勧める。すべての人のために、王たちと上に立っているすべての人々のために、願いと、祈と、とりなしと、感謝とをささげなさい。それはわたしたちが、安らかで静かな一生を、真に信心深くまた謹厳に過ごすためである。 」1テモテ2:1,2