菅内閣が日本学術会議が推薦してきた学者のうち6名を拒否したことで、大騒ぎになっている。その6名の内には先に安倍内閣が強行採決した安保法制と共謀罪法に、学術的観点から反対を表明した学者たちが含まれている。己が政策に反対の官僚は左遷し、政府に批判的な報道をしたニュースキャスターたちを、経営陣に圧力をかけて次々にNHKからも民放からも追い出した菅さんらしい。また、ネット世論に関しては、安倍内閣以来、自民党ネットサポーターズクラブを使って24時間ネット上の政府批判記事をチェックして、口汚く批判者をたたきつぶしている。
今回のふるまいは、要するに、学術会議を国策を支持する御用学者集団にしたいということであろう。日本国民は、先に原発利権にまみれた学者たちに原発安全神話で洗脳され、大きな被害を被る経験をした。もし学術会議を、その種の御用学者たちの団体にしてしまうのであれば、ないほうがましである。
思い出される聖書の箇所は、ソロモン王の次のレハブアム王が就任したとき、彼に長老たちが税を軽くして民に優しくするように助言したことに対して、自分は父王よりも偉大な事業をするからカネがいるのだと、長老たちを退けて身の回りにイエスマンだけを置いたという記事である。結果、民はレハブアムに背を向け、王国は南北に分裂した(列王記第一、12章を参照)。また、思い出されるのは、黙示録13章の記事である。第一の獣(権力者)は傲慢になると、竜(サタン)から力を得て独裁者となるが、そのとき、彼は第二の獣(国民洗脳機関)を活用するのである。
為政者が、謙遜に己に与えられた分をわきまえて、平和と秩序を維持し、徴税と富の再分配をもって経済格差を是正するという神に与えられた務めを正常に果たすことができるように祈りたい。
そこで、私は何よりもまず勧めます。すべての人のために、王たちと高い地位にあるすべての人のために願い、祈り、とりなし、感謝をささげなさい。それは、私たちがいつも敬虔で品位を保ち、平安で落ち着いた生活を送るためです。(1テモテ2:1,2)