苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

コロナ拡大と学術会議の件

 気温が下がり、乾燥し、それをGO TOキャンペーンが後押しして、新型コロナ感染が急拡大している。もはや、7月ころ、「日本モデル」と言って胸を張っていたのが過去のことになっている。「日本モデル」とは何だったのかといえば、世界では政府主導でいろいろ対策していたが、オリンピックをしたかった安倍さんは新型コロナ問題への対処を主導せず、学者たちにこの問題への対処を委ねていた体制である。学者たちは政府に忖度せず、研究者としての見識に基づいて、コロナ対応策を打ち出した。

 しかし、秋になり政府はこの学者たちの会議を解体し、政府に忖度する会議を新たに編成し、菅さんのGO TOキャンペーンの後押しをさせた。そして、コロナ拡大を手をこまねいているというか、コロナ拡大を推進している。無論、経済の問題は生活に直結しているから、それはそれでかじ取りはとても難しいのであるが。

 ただ、この問題は同時におこった学術会議問題を考える上で役に立つ。日本学術会議は政権に忖度せず客観的見解を述べることによって、政権の暴走を防ぐために設置された会議だそうである。先の戦争にあたって政府・軍部の暴走を学会が止められなかったという反省で作られた会議である。菅さんは自分の意見に反対のものは排除するという狭量の人である。しかし、学術会議の独立性というのは、国家の安全運転のために重要なことなのである。どんなにスピードが出てかっこいい車でも、ブレーキがなければだれも乗らないではないか。