聖書通読でヨハネ福音書1章2節を読んで、ずっと前から気になっている「ことばは神とともにあった」という翻訳がやはり気になる。ギリシャ語初級を学んだ時から気になっているから、35年間気になっている。ho logos en pros ton theonというのだが、ギリシャ語で、pros対格は「に向かって」英語なら toとかtowardと訳すのが普通の用法なのだが、ここでは「とともに」withと訳している。ストロングの辞書を見れば、この箇所を用例の一つとして、方向的な意味がなくはないが、むしろ「そばに」という意味でもちいられるという説明がある。英語訳聖書はことごとくwithと訳していて、そのもとになったであろうウルガタはapudである。
私としては、「とともに」ではあるのだが、御子は父の横ではなく、父の目を見つめるように父に向っていることが父に対する子の位置の理解として大事なのではないかと思っている。イメージとしては生まれたばかりの赤ん坊がはじめて母と対面した姿。