苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

もし、あなたが金持ちであるなら

  6:3 違ったことを教え、私たちの主イエス・キリストの健全なことばと敬虔にかなう教えとに同意しない人がいるなら、 6:4 その人は高慢になっており、何一つ悟らず、疑いをかけたり、ことばの争いをしたりする病気にかかっているのです。そこから、ねたみ、争い、そしり、悪意の疑りが生じ、 6:5 また、知性が腐ってしまって真理を失った人々、すなわち敬虔を利得の手段と考えている人たちの間には、絶え間のない紛争が生じるのです。
   6:6 しかし、満ち足りる心を伴う敬虔こそ、大きな利益を受ける道です。 6:7 私たちは何一つこの世に持って来なかったし、また何一つ持って出ることもできません。 6:8 衣食があれば、それで満足すべきです。 6:9 金持ちになりたがる人たちは、誘惑とわなと、また人を滅びと破滅に投げ入れる、愚かで、有害な多くの欲とに陥ります。 6:10 金銭を愛することが、あらゆる悪の根だからです。ある人たちは、金を追い求めたために、信仰から迷い出て、非常な苦痛をもって自分を刺し通しました。
(中略)
   6:17 この世で富んでいる人たちに命じなさい。高ぶらないように。また、たよりにならない富に望みを置かないように。むしろ、私たちにすべての物を豊かに与えて楽しませてくださる神に望みを置くように。 6:18 また、人の益を計り、良い行いに富み、惜しまずに施し、喜んで分け与えるように。 6:19 また、まことのいのちを得るために、未来に備えて良い基礎を自分自身のために築き上げるように。(1テモテ6:3−10)

 主イエスは「貧しい者は幸いです。」(ルカ6:20)とおっしゃったし、門前乞食のラザロがアブラハムのふところ(天国)に行ったのに、彼を見殺しにした金持ちは地獄の炎に苦しんでいると話された。ヤコブ書5章にも、パウロ書簡にも、金持ちになりたがることが永遠の滅びを招くことが何度も記され、警戒せよと教えられている。「敬虔を利得の手段と考える人々」つまり、キリストの福音をご利益主義にすりかえてしまう偽教師たちはわざわいである。
 だが、それでも金持ちになってしまうことがある。勤勉に働いて、特段お金のかかる趣味もしなければ、いつのまにか金持ちになってしまい、その富がわざわいとなるというのが、ヴェーバーのいうプロテスタント的禁欲による富の蓄積だ。それは、中世の修道士たちが勤勉に働き、禁欲の生活をしていた結果、修道会が金持ちになってしまって堕落し、また、ほかの修道会が起こされるが、同じことが起こったというmonastic cycle(修道会的循環)の再現である。
 読者にもし金持ちがいるなら、永遠に滅びないためにどうすればよいか?対策は下記のとおり。
 一つ、金があるからといって、高ぶるな。
 二つ、たよりにならない富に望みを置くな。
 三つ、惜しまずに施せ。ただしなるべく目立たないように。

 こうして、御国での生活の土台を築くことができる。