苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

ナルドの香油の出来事の日付

ナルドの香油の出来事
1.ナルドの香油の事件の日付は、マタイ伝26:1-14、マルコ伝14:1-10では過越祭の2日前とあるが、ヨハネ伝12:1-7では過越祭の6日前とある。
2.マリヤが香油を注いだ主イエスのからだの部位はマタイ、マルコでは頭で、ヨハネでは足となっている。まず頭に注ぎ、そして足にも注いだのであろう。
3.マタイ、マルコでは香油を注いだマリヤを非難したのは弟子全員だが、ヨハネでは「香油が3百デナリで売れたのに」とマリヤを非難したのはイスカリオテ・ユダとなっている。これはユダが最初に言い出したのであって、その尻馬に他の弟子たちも乗ったという意味であろう。

 2と3については、三福音書の調和は可能である。だが、1の日付についてはどうか?ヨハネ福音書記者は共観福音書を読んだ上で書いていると思われるのになぜだろう。
 山散歩をしていて、ふと思いついた。過越祭・除酵祭のどの日を基準にして、「二日前」とか、「六日前」と言っているのかの違いなのであろう、と。もうちょっと調べて考えて見ます。

一応出エジプト記の規程では次の通り。
*過越し
アビブ10日
傷のない雄の子羊、または山羊を選び分ける(出エジプト記12章5節)。
アビブ14日
その羊(または山羊)を屠殺(出エジプト記12章6-7節)。
アビブ15日(日没で日付が変わる)
夜にその肉を焼き、種無しパンを食べる。(出エジプト記12章8-9節)。
*除酵祭 14日の夕方から21日の夕方までの七日間は種入りパンを食べてはならない(15, 18節)。
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 こうして見ると、マタイ、マルコはアビブ10日の「二日前」なのだろう。ただし、イエスが金曜に十字架について日曜によみがえったことを「三日目」というように当日から数えることからすれば、「二日前」は現代でいう一日前を意味するだろう。
 ヨハネの「六日前」というのは14日の羊が殺される日を基準にした日付である。
 これで解決、かな。