苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

マンモスのはんこは意外と安い

 ワシントン条約象牙の国際取引は禁止されたので、今、かわりにマンモスの牙でできた印鑑が流行している。さぞ貴重で高価なのかと思ったら、そんなことはなく最大直径18ミリのものでも2万円未満、直径10.5ミリなら8000円もしないで、ネットで買うことができる。
http://www.hanko-inkan.com/material/mammoth.html
 シベリアでは、こうした商売になるほど冷凍されたマンモスが発掘されているということを意味している。過去のある時点で、マンモスは集団で冷凍保存されてしまったのである。
・・・<『謎多き惑星地球(下)』、p140〜p147から抜粋開始>・・・

■マンモスの氷漬けと「シベリア温帯説」

シベリアとアラスカを襲った急激な寒冷化現象を語るには、当時その地に生息していたマンモスの絶滅の状況を調べてみるのが手っ取り早い。

広大なユーラシア大陸の北の果て、北部シベリアの凍てつく平原で、厚い体毛に覆われた新生代の巨大哺乳類・マンモスの冷凍遺体が最初に発見されたのは、1692年のことである。

その後もシベリアやアラスカ北部の永久凍土の下から、多数の氷漬け遺体が発見されている。なかでも有名なのが、ほぼ原形のまま発見された次の二頭だ。

一頭は、1900年にベレゾフカで発見された「ベレゾフカ・マンモス」で、他の一頭は1977年に運転手ディマによって発見された「ディマ・マンモス」である。

マンモスが寒冷地に住む動物だと信じていた学者たちは、冷凍死体が極寒の地で発見されたと聞かされても、さして驚きはしなかったようだ。

しかし、その後の研究で、マンモスが決して寒冷地に生息する生物でないことが明らかになるにつれ、その発見は衝撃的なものとして、脚光を浴びる。

我々は、子供の頃から厳寒の猛吹雪の中を、威風堂々と群をなして歩くマンモスの姿を、図鑑や絵本の中で目にしている。

全身が太く長い体毛で覆われている外観から受ける印象は、まさに極寒の地に生きる生物そのものだ。

それゆえ一般の人々は、マンモスは寒冷地に生きる象の一種と思っていたし、ほとんどの動物学者までもが、そう考えていた。

しかし、見た目の印象とは違って、マンモスは氷点下を下回る寒冷地では生きられない体の構造をしていることが、冷凍死体の研究から明らかになったのである。

多くの動物には、「皮脂腺(ひしせん)」と呼ばれる半流動体の脂肪性物質を出す腺がある。寒冷地では、これがないと冷気が皮膚の水分を奪い、細胞が瞬く間に脱水症状を起こして、死に至ると言われている。

つまり、寒冷地で生きる動物にとっては、「皮脂腺」はなくてはならない体の組織なのである。

冷凍されたマンモスの皮下組織を調べたところ、そこには、この「皮脂腺」が見当たらなかった。つまり、マンモスはもともと寒帯性の生き物ではないということだ。

マンモスを極寒の地に棲む動物と信じていた学者たちは、その毛深い外観に長い間だまされてきたのである。

考えてみれば、体毛の長い動物ならオランウータン、ナマケモノアンゴラウサギからペルシャネコに至るまで、さまざまな動物が温帯から熱帯にかけて生息しているわけで、体毛が長いという外観だけから寒帯性の生き物と判断したのは愚かなことであった。

凍てつく寒さから身を守るためのものと思われていた10センチメートルほどもあるマンモスの皮下脂肪は、耐寒用の組織というより、むしろ当時の北シベリアに、餌となる植物が十分にあったことの証と見るべきだったのである。

またマンモス温帯性動物説を裏付けるものも、冷凍遺体の胃や食道、口内から発見されている。

体内のこれらの器官の中に残され未消化の食べ物の中に、細かいスゲ科の植物やイネ科の植物、さらに柔らかいキンポウゲなどの温帯性植物が含まれていたのである。

イネやスゲが温帯性の植物であることはよく知られている。キンポウゲもまた、摂氏4度以上の気候でないと、絶対に生育しない植物で、日照時間が長く、さらに晴れや雨の日が交互に繰り返すことが、生育の絶対条件である。

このことは、数十万頭のマンモスが生息していたシベリア北部は、温帯性気候に属し、彼らに突然の死と冷凍化が起きる直前までは、たくさんの温帯性植物が繁茂していたことを示している。

つまり、一年のうちほんの数ヶ月の間、蘇類(せんるい)と菌類が生えるだけの不毛の地である現在のシベリアは、驚くことに、ある時代までは穏やかで温暖な地であったということである。

現に、マンモスが発見されたのと同じ黒泥土(マック)から、虎、ライオン、ピューマ、野牛、オオカミなどの動物の骨や、サーベルタイガー、マストドンなどの絶滅動物の骨が大量に出土しているが、これらもみな温帯性気候に生息する動物である。

また、マンモスの牙や骨が最も多く発見されているニュー・シベリア諸島が、当時は温暖な気候であったという点について、生物学者のアイヴァン・サンダーソンは、次のように述べている。

ニュー・シベリア諸島には、あらゆる種類の樹木が生えていた。スモモと同じ仲間の木もあり、実も葉もついていた。発見者であるバロン・トールによると、その実は熟していたということである。そして、木の根も氷結土の中で原形を保っていたそうである。

しかし現在では、ニュー・シベリア諸島から2000マイル(約3200キロメート)以内の地域に、そのような闊葉樹は全く育たない。したがって、当時の気候は現在とは大幅に異なっていたにちがいない。

それに、当時の地面が石のように固い氷結土であったとすれば、木は埋まることはできなかったであろうし、 あるいはそれらの木がもっと暖かい地方から流れついたものだとしたら、葉はとれてしまっていただろう。

それらの木は、その地に生えて育ったものにちがいない。

そして気候は、ただ暖かいだけではなく、葉を茂らせ、実をつけることができるほど夏が長かったということになる。

したがって現在の北極地方は、当時はオレゴン州ほどの気候であったか、あるいはその地域がもっと別の位置にあったかのどちらかである。

地球物理学者が、北緯72度の地点が暖かかったからといって、地球全体の温度が高かったと言うわけではない。

そんなことになったら、熱帯地方は煮えたぎってしまう!

このように検討を進めてくると、最終的に、地球全体の地殻が動いたか、あるいはその一部が移動したという考え方が有力になってくる。

■温暖な地シベリアは一瞬にして極寒の地となった!

さらに学者を混乱に陥れたのは、発見されたマンモスの遺体のうちの数頭は、立ったままの状態で冷凍されていて、それらのマンモスの胃や口の中から消化途中の大量の食物が見つかったことである。  さらに・マンモスを一瞬にして死に至らしめ、冷凍化した未曾有の大寒波がいかに急激だったか、次のような事実が裏付けている。

この事実は、シベリアの地に生息していたマンモスに訪れた死が、極めて急激なものであったこと、死後冷凍が短時間のうちに起きたことを物語っていた。

そうでなければ、遺体は横たわった状態で発見されたはずだし、胃や口内の食物も腐敗して、原形を留めていることなどありえない。

その一つは、発見されたマンモスの遺体の肉は鮮度が高く、犬ぞりを曳(ひ)く犬やオオカミだけでなく人間ですら食することができるほどであったという点である。

事実、かつてアラスカ州のフェアバンクスのレストランでは、マンモスステーキをメニューに載せていて、「繊維が多く、霜ふりのようだ」とか「馬か牛の冷凍肉のようである」と書かれた報告書も残されている。

冷凍マンモスの研究のために、自ら冷凍食品技術者にまでなった生物学者のサンダーソンは、「味を損なわずに肉類を冷凍するには、氷点下摂氏30度以下で、しかも非常に急速に冷凍しなければならない」  と述べている。

肉が凍るときには、細胞に含まれている水分やその他の液体が結晶となるが、冷却の速度が急速であればあるほどその結晶は小さく、鮮度が保たれるからである。

マンモスのように全身を厚く体毛で覆われた巨大動物を、瞬間フリーザーで凍らせるには、零下100度以下の凄まじい寒気が必要である。

また、マンモスの体の内部、特に胃は死後もしばらく暖かいので、そのくらいの温度で急速冷凍されない限り、食べ物と一緒に、胃そのものが腐敗してしまう。

サンダーソンの考えを裏付けるように、ジョン・ホワイトも次のように述べ、シベリアで見つかった牙の状態が、短期間での気候の激変の証明であるとしている。

ランゲルという旅行者は、シベリアの北部の象牙は「アフリカの象牙と同じくらい白くて新しい」と報告したということである。

確かに、牙が腐って使い物にならないようであれば、象牙業者は見向きもしなかったに違いない。ランゲルの言うように、牙が十分役に立つ状態であるということは、急速に凍り付いた証拠である。

またリチャード・リデッカー教授が1899年、スミソニアン研究所に報告したように、もし普通の状態で野ざらしになっていたら、象牙の質はすぐに低下したに違いない。

また、冷凍マンモスのペニスが勃起状態であった点に着目したのは、超古代世界やUFOなどについて独自の考えを展開し、数多くの著書を持つ超常現象研究家の飛鳥昭雄氏である。

彼は著書『アスカ・ファイル』の中で、驚異的な大寒気が、信じがたいほどの速さでシベリアの地を襲ったはずだという見解を示し、その根拠を次のように述べている。

マンモスは寒さで凍え死んだのではない。

摂氏マイナス100度以下の殺人的な超寒気を肺に吸い込み、何呼吸かする暇もなく、最初の一呼吸直後に絶命したのである!

すなわち、最初の一呼吸で超寒気が肺内部に吸い込まれ、無数の微小な肺胞を一瞬にして全て氷結させたのだ。
結露と氷結がほとんど同時に発生した。

それほどの凄まじい寒気だったのである。そうなれば当然、肺による酸素交換などできようはずもない。マンモスは、瞬時にショック状態で死に至り、そのまま窒息状態で死亡したということなのだ。

そういう場合、窒息死特有の現象が体に現れるが、ベレゾフカ河畔の冷凍マンモスのペニスが、勃起状態だったことがそれを証明している。

窒息死の場合、雄はペニスを勃起させたまま死亡するからだ。同時に、ペニスが勃起状態だったことは、その直前まで生体として生きていたことを証明し、その死が一瞬だったことを示唆している。

それは冷凍マンモスの口と胃に残された、未消化の植物が暗示する意味とも共通し、これは当時の状況を物語ると共に重要な物的証拠でもあるのだ。

温暖なシベリアでキンポウゲを食するマンモスを、マイナス100度という驚異的な超寒波が突如として襲い、彼らを一瞬にして冷凍化してしまったことが、おわかりになられたであろう。

 ・・・<抜粋終了>・・・
 
 マンモスが生きていた時代、いったい、この地球に何が起こったのだろう。少なくとも明確な事実は、この地球に過去たいへんな激変が起こったということである。言い換えると、近代の地質学の基礎・前提となってきた「斉一説」はまちがっているということである。斉一説(uniformitarianism)とは、自然において、過去に作用した過程は現在観察されている過程と同じだろう、と想定する考え方。「現在は過去を解く鍵」という表現で知られる近代地質学の基礎となった地球観(Wikipedia)。したがって、斉一説に基づいて造られた地質学における進化論などすべての仮説は、すべて見直す必要があるということになる。
 過去における大隕石の衝突もまた、同じように斉一説の破綻を意味している。