苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

福島県立医大とABCC

 下記の記事が届いた。読者はどう思われるだろう?

【大拡散希望】福島の甲状腺検査は自分の子どもの結果を知るのに県に「情報開示請求」を出さなければならない。


 これは開いた口がふさがりません。
 福島県医大による子どもの甲状腺検査は、健康診査ではなく、研究論文発表のためのデータ集めであることがこれではっきりしました。
 9月13日に福島の父母や環境団体のメンバーが、福島県医大をたずねて甲状腺検査の改善を要望したそうです。その記事からわかったことを抜粋します。


1.応対した放射線医学健康管理センターの松井史郎特命教授の発言
 「何よりも長期間にわたって検査を受け続けることが大事。大学という研究機関で世界に証明することが必要…(後略)」。


2.甲状腺検査を受けるには保護者が 「データは福島医大が保管することに同意する。これを理解した上で甲状腺検査を受ける」と書かれた 同意書に署名しなければならない。つまりデータが受診者ではなく医大に帰属するものであることを認めさせられる。

3.自分の子供の検査結果を知るのに、 戸籍謄本を添えて福島県に 情報開示請求を出さなければならない。もし健康診査であれば、検査結果はこちらが求めなくてもすぐに個々の世帯へ郵送などで通知されるはず。明らかに目的が違うことがわかる。

4.情報開示される検査結果の超音波測定のエコー画像は、カラー画像をモノクロのコピーしたもの。コピーを渡されるということは、結果通知用のフォーマット自体が無いということではないか。

5.甲状腺検査の結果、結節(しこり)が5ミリ以下、嚢胞(のうほう)が20ミリ以下の子供は、再検査を受けるのが2年後になる。しかし、同じ子どもが北海道の病院では「1年後に来て下さい」と言われた。しこりが成長するのを待つためではないか?

 さらに、この記事には書かれていませんが、実際の保護者宛の通知書をみると、タイトルが「県民健康管理調査に係る甲状腺検査の実施について(お知らせ)」となっています。つまりこれは健康診断ではなく「調査」のための検査なのです。

 もしこのブログを福島県の方が読まれたら、ぜひ子どもさんを持つお知り合いに伝えて下さい。福島県甲状腺検査は「健診」ではなく、「調査」だから、よそで本当の甲状腺の健康診査を受けたほうがいいよ、と。

http://blog.livedoor.jp/nihonmamorou/archives/52080239.html

元記事
http://tanakaryusaku.jp/2012/09/0005068

 福島県医大の山下俊一氏のしていることは、かつて広島で活動していたABCCのしたことと酷似している。「はだしのゲン」の読者なら知っていることだが、ABCC(Atomic Bomb Casualty Commission放射線障害調査委員会)とは、放射線障害の実態を詳細に調査記録するために、広島市への原子爆弾投下の直後にアメリカが設置した機関である。
「原爆が落ちてちょうど1年後、広島市は市内8カ所に原爆症の無料相談所を開設しますが、まだまだ医療施設は不足していました。そこでABCCにも診療が期待されましたが、ABCCは治療行為は一切せず、ひたすら調査だけを繰り返しました。
・・・さらに1967年、米国科学院の機関紙2月号に、20年間の研究成果として、広島・長崎での原爆後遺症はそれほど深刻ではないとの発表があり、被爆者たちは「実際の被害と違う」と憤り、ABCCに対し、きわめて強い反感を持つようになるのです。
 それでは、いったいどうして原爆後遺症が実際の被害より低く見積もられたのか?
 まず政治的な理由として、原爆の被害を高く見積もれば、反米感情も強くなることがあげられます。また、1953年12月8日にアイゼンハワー米大統領が「アトムズ・フォー・ピース(原子力の平和利用)」の演説を行っており、放射能被害を強調すると、この流れに逆らってしまうこともありました。・・・」http://www.tanken.com/abcc.html
 ABCCは医療機関ではなく、単に、米国原子力ムラに属する放射線被曝調査機関であって、次の核戦争に備えて放射線被曝のデータが欲しかっただけなのである。広島の被爆者たちはABCCにとっては患者ではなくモルモットにすぎなかった。研究結果発表の時期、米国原子力ムラは、原発建設を国内外で進めて大儲けをしようとしていた。そこで、ABCCは原爆症などたいしたことはないとして、内部被曝の恐ろしさも隠蔽してしまったのである。
 ABCCは、それでも正直であったと思う。看板どおり、放射線障害調査をしていたのだから。だが、医科大学と名乗りながら、もし患者の生命を救うことを第一の目的としていないなら、これほど不誠実なことはない。
追記
 生命を救うことを第一の目的とすることと、データ蓄積を第一の目的とすることでに、どんなちがいがあるか? 生命を救うことを目的とするならば、癌化の危険ある細胞があればなるべく早くこれに対処しようとするだろう。だから親には状況を説明し、これこれの異常を察知したらすぐに再び診療するようにと指導するだろう。
 だが、原子力ムラのためのデータ収集を目的としていれば、危険な状態にある細胞がどういうふうに変化してゆくかをなるべく長く経過観察することに重点が置かれ、そのデータは隠される。これは決定的な違いである。
 こうしてみると、福島医科大学副学長山下俊一グループの振舞いをみれば、それが原子力ムラのためのデータ収集を目的としていると判断せざるを得まい。

★こちらのリンク先をぜひ読んでください。その通りだと思ったら署名を。
 3.11以後、最悪の健康被害の発表「女子小学生の54.1%、女子中学生の55.3%に『のう胞』発見」
http://fukusima-sokai.blogspot.jp/2012/09/blog-post_3009.html?spref=fb

オーストラリアのヘレン・カルディコット博士の警告。
「この子ども達は追跡調査をしてる場合じゃありません。のう胞や結節などの全ての異常は直ちに生体組織検査をして悪性であるかを調べるべきです。 こういった甲状腺異常が1年も経たないうちに現れるというのは早過ぎます。普通は5〜10年かかるものです。これは、子供達が大変高線量の被ばくをしたことを意味します。もしも悪性なら、甲状腺の全摘出が必要です。子供達に甲状腺結節やのう胞があるのは、まるで普通ではありません!」