苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

原発依存度、三つの調査について

 二〇三〇年時点の原発依存度をめぐる国民的議論の結果を検証する政府の第一回専門家会合が二十二日開かれ、パブリックコメント(意見公募)の集計経過や、意見聴取会のアンケート結果が報告された。それぞれ89・6%、81%が原発ゼロ案に賛成。国民同士で議論して意識の変化を調査する討論型世論調査(DP)は事前に32・6%だった原発ゼロ案が最終的には46・7%に拡大した。いずれも原発15%案や20〜25%案を圧倒しており、「原発ゼロ」の声を無視できない状況に政府を追い込んでいる。 (山口哲人)東京新聞2012年8月23日 07時04分

 2030年の原発依存度について、0%依存シナリオ、15%依存シナリオ、20〜25%依存シナリオのどれを選ぶかについて、三種類のアンケートが取られた。
 第一は、パブリックコメントで、原発依存0の意見が89.6パーセント。
 第二は、意見聴取会アンケートで、原発依存0の意見は81パーセント。
 第三は、討論型世論調査である。これについて少し考えて見たい。
 調査は三段階で行われた。その意図は、原発について知識を得たり討論して考えることによって、どのように意見が変わるかを知ることである。
 第一段階は、無作為に選んだ人々に電話で討論に参加を求めた時点で、原発ゼロ、15%、20〜25%のどれかを選択するというアンケートをとる。第二段階は、討論参加のために事前に資料を渡して勉強してもらってきて、討論直前に同じアンケートをとる。第三段階は、討論参加後、アンケートをとる。
 その結果、下記のような結果が出た。

電話依頼時・・・ゼロ%依存32.6、15%依存16.8、20-25%依存13.0
討論前資料読後・ゼロ%依存41.1、15%依存18.2、20-25%依存13.3
討論後・・・・・ゼロ%依存46.7、15%依存15.4、20-25%依存13.0

 パブリックコメント、意見聴取会では、原発について自ら主体的に書物やネットで情報を得て調べて、自分なりの意見を持った人が参加していると考えられる。そういう原発とエネルギーについて情報と知識を持つ人々は、8割ないし9割、原発はゼロにすべきであるという意見をもっているというわけである。
 他方、討論型世論調査というのは、無作為に選んだ人々を討論会に呼び出して行われたものであるから、参加者の多くは他の二つのアンケートと違ってもともと原発についてそれほど考えていなかった人々であろう。その人々は、電話でまず参加を依頼した時点では、原発ゼロが32.6パーセントだった。ところが、資料を読むと41.1パーセントとなり、討論をした後は46.7パーセントとふえている。これが何を意味しているかは明らかである。原発について知識・情報をもたない人のうち、「原発ゼロが理想だけれど、原発ゼロは無理なんじゃないの」となんとなく思っている人々が、知識・情報を得て主体的に考えるようになるにしたがって、「原発はゼロにすべきだし、することができるんだ」という判断へと変化したということである。

   散歩で見かけたクロネコ