化石燃料の究極埋蔵量の比較をしてみよう。
数字は1×10の16乗 k c a l のエネルギーに換算した資源量。
高品位石炭・・・・・・8000
低品位石炭・・・・・・1700
オイルシェール・・・・・810
タールサンド・・・・・・240
石油・・・・・・・・・・294
天然ガス・・・・・・・・200
ウラン・・・・・・・・・110
というわけで、ウラン資源は石油に比べても3分の1、石炭に比べれば100 分の1しかないという大変貧弱な資源にすぎない。なお上の表には現れていないが、天然ガスは最近有望な資源が発見されているとの報告もある。
とにかく、原子力発電は、ウランがまもなく枯渇するので、まったく将来性のない発電方法である。なんでこんなものにしがみついて、「未来のために原発が必要」などとCMを流すのか。
(http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/kouen/dent-02.pdf)
もっとも、原発技術者は高速増殖炉という夢を抱いていたので、少しの埋蔵量しかないウランであっても将来性があると期待された。高速増殖炉が実現できれば、理論上は1のウランを60倍に活用できるからである。しかし、現実には、高速増殖炉は非常に危険で、実験中に重大事故ばかり起きるので、この技術は原発技術のもっとも進んでいるフランスでさえ放棄されて、ただ日本だけこれにしがみついている。昨年敦賀でもんじゅを稼動再開したが8月に事故を起こし、今も「もんじゅ」は危険な状態にある。福井に1948年に起ったような地震があれば大事故になり、そういうことになれば、北陸と至近の京都はもちろん、関西そして中部は放射能汚染することになる。
というわけで、石炭・石油・天然ガスといった化石燃料が乏しいから、これからはウランだというのは、まるで話が逆である。ウランは乏しく将来性がないから石炭を、というならば筋が通っているのだが。